新しい教育社会(07)総合型選抜の質が上がる。思考コードで明らかになる。
★今年の総合型選抜の状況について、先生方と対話して気づくことは、活動報告書に記入する内容や小論文の問いが深まりを見せているのではないかということです。
★活動報告や自己アピールの文章は、1つの体験で優れた実績をだし、それが自分の人生に影響を与えることを明らかにするものでなければならないということが明らかになってきました。部活や生徒会でがんばっただけでは差がつかなくなったわけです。
★しかし、多くの生徒が限られた有数のコンクールで優れた実績を獲得することはできません。ですから、そうでない場合は、多くの体験でそこそこの実績を上げ、それによって自分は何に覚醒したのか論述しないと難しくなってきました。
★さらに、コンクールとか海外研修とかレールを敷かれた経験の中で優れた実績を残すだけではなく、多くの体験を通して自分なりの新たなイベントを生み出し、その活動が即社会貢献に結びつくものであることをアピールするレベルもでてきました。
★このような3つのレベルは、思考コードのB1C1思考、B2C2思考、B3C3思考に対応します。レべル1の活動報告、レベル2の活動報告、レベル3の活動報告と分けられるでしょう。
★小論文にしても同じことが言えます。
★一般的には、1つの課題文が提示され、その要約を書き、その要約した作者の考えに対し自分の意見を述べるというレベルでしたが、今ではそう単純ではなくなってきました。
★複数の課題文やデータが提示され、それぞれの関係づけをしていきます。その関係づけて明らかになったテーマについて小論文を書くというレベルまで求められるようになってきました。
★究極は、その複数の課題文やデータの関係を結びつけると、その関係の背景にさらに別の関係があることに気づき、つまり根本的な問題にいきつき、それについて小論を書く。自分だったらどうするのかどう解決するのかまで書き込んでいきます。
★活動報告書と同じように、3つのレベルがあり、思考コードのB1C1思考、B2C2思考、B3C3思考に対応します。
★そして大事なことは、B3C3思考は、レールに敷かれた枠内にとどまらず、自分で事を起こすことが必要です。もちろん、そのように突き動かす動機がポイントです。は根本的な問題を発見し、それを解決したいという動機付けです。
★かくして、とにかく大学に合格するためだけなら、一般入試の方が勉強しやすいというパラドクスが生まれています。すなわち、一般入試より総合型入試の方が易しいということはなくなりつつあります。
★しかし、本当のパラドクスは、世界の影響力のある大学で学んでいく生徒は、日本の一般入試のような体験を高校時代にしないということです。総合型選抜のような体験をして大学に進みます。
★これは、世界で活躍するクリエイティブクラスは、この総合型選抜のような体験の場から、生まれているというコトを示唆しています。
★つまり、クリエイティブクラスとそうでないクラスと階層構造ができてしまうということです。もちろん、これを解消するには。。。なのです。2025年にとんでもないことになりますね。
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