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2020年10月 2日 (金)

学びのNew Impactを求めて(01)現状の束縛から解放される場をつくる。

★2011年から2019年まで、21世紀型教育機構の新しい教育創りに参加させてもらい、その過程でいろいろなものが見えてきました。今は来年の<学びのNew Impact>創出の準備をしています。そのために相変わらず独断と偏見ですが、現状の学校の地図を描いてみました。

Newinpact

★21世紀型教育機構を運営していく過程で、日本語IBだとかその他の海外の優れたプログラムなども検討する機会を得ました。そして、当たり前ですが、日本というのは、「一条校」に縛られているということがだんだんわかってきてました。

★先生方や教育関係者が、自分の良心と正義で憤懣やるかたない情熱を語り合いますが、その葛藤が生まれるのは「一条校」であるからという制約があるからなのです。もしこの制約から逃れようとすると、IBのような世界の大学受験資格を有しているプログラムと提携しなければなりません。

★また、「一条校」としての高校卒業資格がなくても、大学受験資格は高校卒業資格に相当するレベルのものを認めるという領域もあります。助成金がもらえないので、勇気がいるのですが、そういうことです。

★そう、「一条校」というのは、学習指導要領ベースでやることによって助成金がでるという国家システムです。

★だから、「一条校」の枠内で特色を出す競争は閉じられた世界での競争なので、強迫観念の応酬となってメンタル的には鬱屈しがちです。心理学はそのような抑圧社会をどうすることもできないのだから、その中でどのようにハッピーに生きるかを研究するわけです。

★倫理や道徳も、その「一条校」としての枠内での話になりますから、世界から見たら、極めて孤立した倫理や道徳で、世界からすれば危うく見えてしまうのです。

★はてさてどうしたらよいのか?今すぐ「一条校」から離れるわけでにも行きません。今のところいたるところで枠を突き抜けることの意味を対話する以外に方法はないでしょう。その過程で突き抜ける意識がウネリとなったとき、世界は変わるでしょう。それが<学びのNew Impact>になるでしょう。

★今も「一条校」の中にいて、そこへ突き抜けようという動きをしている先生方はいます。しかし、それが「一条校」という当たり前の前提を崩そうという意識からでているわけではないので、突き抜けることはなかなかできません。

★現状、私は、この<New Impact>につながるウネリを見つける作業をしているわけです。改革や革命というより、過冷却アップデートという感じです。機が熟する状況を対話によってつくっていくことと、あるタイミングでザーッと雨が降り出すように、事が成就する。アップデートが生まれるという感じでしょうか。

★期待できる先生方はいっぱいいます。そのような先生方が理事長・校長になれば、あっという間に世界は変わるでしょう。そうでない限りは、アンビバレンツという近代の人間のシステムと交渉しながら進まなくてはなりません。

★ただし、今回のパンデミックで、この近代的人間像をアップデートしようという動きがでていることも確かです。アーキテクチャー法というオンライン上の新しい慣習法を国家はどうするか今躍起となっているのがそれを示唆しています。IBの学習者像にその意識を加えて11の学習者像にしてくれれば、一条校でないIB校で<New Impact>につながるウネリが生まれますが、それはまだ難しいでしょう。なぜか?それは言うまでもないでしょう。

★であれば?一条校でないIB校で全員がDPコースをとれない場合、IBのエッセンスをベースにした21世紀型教育をやるところがでてきます。そこには、その可能性が見えます。

★一条校であっても、株式立や公設民営など民間が連携しているところは、そのような希望がありますが、経営上なかなか難しいのですね。

★しかし、現状、経営上無理でも、その制約があるからこそマインドの醸成は可能なわけです。そのマインドを受け入れる資金調達をどうするかですが、助成金を当てにしているとできません。いや、あるいは、助成金を活用して、相互にシナジー効果が生まれるような交渉をするか。

★現状は両方の筋でアプローチしていけばよいとは考えています。いずれにしても、この<New Impact>コンパッションを共有できる方々との対話を進めていきたいと思います。

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