新しい学校の条件(02)品川翔英がスーパーモデルになるわけ。校長がCOIマインドの持ち主。
★品川翔英はスマート21世紀型教育を進めています。そういう意識があるかどうかはわかりませんが、外から見ていてそのような条件を満たしています。では、どこの学校でもできるかというとそれがそうはいかないのです。というのも、B1英語ぐらいならできるし、アクティブラーニングやPBLも探究の時間でならできるし、STEAMも3Dプリンタぐらいは用意できるし、プラットフォームを使って動画や課題を配信するオンライン授業は可能だけどというレベルでの21世紀型教育ならなんとかなるくらいだからです。
★ただし、それでは世界標準の学校とは言えないのです。別に世界標準でなくてよいということであれば、それでよいと思います。しかし、品川翔英のように海外大学も射程に入れると宣言することは、C1英語まで行う授業をするよということです。C1英語をやるにはPBL授業の環境設定をしなくてはなりません。1人1台のタブレットやラップトップは当たり前です。
★ビジョン・ミッション・コンセプトに突き動かされて教育を行う学校(VMC-driven School)であれば、校長が世界標準の21世紀型教育をやると断固たる決意をしたらそうなるでしょう。
★したがって、品川翔英は、C1英語×PBL×ICTの環境はフルセットなオンライン授業を実践したこの5カ月の間に組み立ててしまったのです。つまり、はやくも世界標準の21世紀型教育の土台ができたのです。
★20年前に、柴田校長は、ソニーのVAIOとミニプロジェクターを軽やかに持ち運び、あちこちでプレゼンテーションをやっていました。ICTがいろいろな意味で脱達人化・脱職人化・脱技能化する速度感を知っています。オンライン環境が必要だとなった瞬間にすぐに動いたのはそういうわけでしょう。ホームページでの発信力の影響力も自ら体現済みですし。
★したがって、強力にICTを導入した21世紀型教育にシフトするでしょう。今まではグローバル21世紀型教育だったとすれば、これからはAI21世紀型教育へとシフトするのは間違いありません。VUCAという予測不能な時代、グローバル21世紀型教育は有効です。しかし、VUCAに振り回される時代は終わりにしようというのが、今回の世界同時的パンデミック体験の気づきです。
★もちろん、予測不能は避けようがありませんが、何が起ころうと動じない強い構えを身につけるということなのです。それは1人ではできないのです。
★今までは、1人で歩んでいくのが美徳でした。しかし、それは細い道を懸命に走り、大学受験という壁をなんとか早く通過しかつポジションの高いところにいければ目標は達成されたのです。
★しかし、VUCAの時代はその程度では、世界市民として生きていくことは困難です。やはり、広い視野と深い洞察力が必要になります。するとチームワークやシステム思考が必要になります。だからこそPBLなのです。
★これで、チームが歩いていく道が広くなります。オンライン上で世界の人びとも協働できますから、ますます広くなります。細い道をふさいでいた壁も、道が広くなることによって、壁自体が塞ぎようがなくなります。崩れます。どんどん先に進めます。
★このとき、メンタルモデルに自己変容が起こります。
★かたくなな自己もまた崩れていきます。好奇心と開放的精神となぜだろうと深く問う洞察力(COI)が内側からあふれでてきます。
★COIマインドの持ち主は魅力的な人間です。COIマインドであふれる学校は、多くの人といっしょに遠くまで歩ける幅の広い道を開拓できるでしょう。あらゆる人が頼りにする学校。そして自分も同時に頼られる才能があることに気づける学校。
★柴田校長が今先生方といっしょに向かっているのは、このような体制を作ろうとしているわけです。先生方の潜在力を個人の力量で終わらせるのではなく、COIマインドの顕在化のために奔走しているのでしょう。
★AI21世紀型教育というシステムとCOIマインドの統合がスマート21世紀型教育です。システムはできても、マインドのシェアはそう簡単ではありません。柴田校長のように、校長自身が強く柔らかいCOIマインドの持ち主でなければ難しいのです。もちろん、断固たる意思決定は必要です。
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