ノートルダム女学院(08)「プレップ」の大切な意味の問い返しはじまる。日本で最も最先端の教育発想。
★ノートルダム女学院の高校のコースは3つあります。プレップ総合コース、グローバル英語コース、STE@M探究コースがそれです。ところが、入試市場では、「グローバル英語コースやSTE@M探究コースは、コースをイメージしやすいのに、プレップはしにくい」ともいわれているらしいのです。そこで、同校サイトによると、プレップ総合コースの高校生有志が、フューチャープロジェクトで学んだ「サウンドロゴ」ブランディング手法で、アピールしようということになったようです。
★米国では、エスタブリッシュな私立学校のことをプレップスクールと呼んでいます。ハーバード大学やスタンフォード大学などに進学する準備教育を行うというダイレクトな意味が込められています。
★ただし、この進学準備は、日本の一般入試のように、知識重視の試験問題対策を行うのではありません。リベラルアーツをベースに自分とは何か、自分は社会のために何ができるのか、だからこの大学で学びたいのだということを明らかにしていく教育がプレップスクールの教育のコンセプトです。
★しかしながら、リベラルアーツ?と受験市場ではなりますよね。そんな2000年以上も前の教育なんて古いでしょうということになります。政治経済的にはグローバルな日本も、教育はまだまだドメスティックですから、グローバル教育の基礎であり伝統的革新教育であるリベラルアーツという学際知や言語思考、数学思考、アート思考、フィジカル思考を育成する教育のイメージがつかないわけです。
★本来最高の人生のつくり方を身につけることができるリベラルアーツなのですが、自己肯定感を低くしてしまうネガティブマインドや出る杭は打ち砕く日本の教育の呪術的な側面に気づかないので、そんなすてきな教育があることに気づかないのです。
★しかし、ノートルダム女学院は、同校の母体であるノートルダム教育修道女会の創設者マリアテレジア・ゲルハルディンガーのリベラルアーツ的素養を継承していますから、むしろリベラルアーツは日常なのです。弦楽演奏が有名なのはそういうわけです。保健体育科の先生方がライフデザインの授業をするのもそういうわけです。
★そして、何よりそのことに一番気づいているのは、プレップ総合コースの生徒のみなさんです。それは、今回作成されたプレップ総合コースのサウンドロゴの生徒の皆さんによる次の作詞を読めば了解できるでしょう。
なりたい自分を探そうよ
プレップのみんなと過ごす3年間
自由にいろいろやってみて
自分の答えを見つけだす
探すことって楽じゃないけど楽しい毎日
きっと卒業したら大好きだったって気付くんだ
ノートルダム プレップ総合コース
★これは「プレップ」の意味や「リベラルアーツ」の意味を端的に表現しています。そして同時にノートルダム女学院のマインドの土台でもありましょう。
★学校の魅力を一番知っているのは、やはり生徒の皆さんだということでしょう。
★日本の教育改革は遅々として進まないと言われていますが、今年もポストコロナ時代の新ての総合型選抜(AO入試)開発が加速しています。この入試制度はハーバード大学やスタンフォード大学に進学する準備、つまりプレップスクールのような入試なのです。
★残念ながら、受験市場は、一般入試を対象にしている塾が大勢なので、まだここの情報がきちんと理解されていないようです。
★真理は真理なのです。いずれノートルダム女学院のプレップ総合コースの教育における重要性が理解される時がくるでしょう。
★しかし、このような逆境の時代を、生徒の皆さんはテコにして最高の人生のつくり方を実装していますね。その象徴が、今回のサウンドロゴ制作でありましょう。そして、先生方も大いに応援しています。その応援は、行事や特別プログラムだけではなく、普段の授業でも行われています。
★PBL授業がそれです。PBLとは、ゲルハルディンガーがそうだったように、逆境を逆手にとって、世界を変える叡智と徳を身につけることです。自分にとってみんなにとって最高の人生を共創するプロジェクトなのです。
★今後、先生方のそのプロジェクトの拠点であるPBL授業についてご紹介していこうと思います。
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