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2020年9月23日 (水)

品川翔英の進化(06)国語科PBL型授業2.0へ 単元テストとPBL型授業の相乗効果

★先日、品川翔英を訪れました。正門から受付ロビーまで歩いていると左手から、サッカー部の練習の大きく低い声が聞こえてきました。手入れの行き届いた芝生でグリーンな世界が躍動していたのです。今年の3月まで女子校だったとは信じられないと思いつつ国語科の先生方のところへ案内していただきました。

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★中1のドラマエデュケーションも始まり、部活に探究に生徒はパフォーマンスから内面を鍛えていく躍動的な学びに翼を広げ始めました。そんな躍動感を、日々の授業からも生み出そうというのが柴田校長の発想ですが、それを言語そのものによっても生み出そうともしています。多角的な発想が1つにつながるには、どうしても言葉の力が大切だというのが柴田先生の考え方なのでしょう。

★たしかに、歴史を顧みれば、熟慮、傾聴、共感、交渉力、そして雄弁というのはリーダーにとって必要な条件です。言葉は大切ですね。中学の学校説明会が終わり、講堂から戻ってきた柴田校長に廊下で出会いました。「本間さん、今日だったんですね。国語科の先生方がんばっているでしょう!次があるからすぐに抜けなきゃならないけれど、たまに顔出してみようかな。いいですか」と声をかけられました。

★「もちろんです」と校長を交えた国語科研修が始まりました。今回のテーマは、第1ステージのPBL型授業のデザインは到達したので、第2ステージに進みます。テーマは、「単元テストの意義を確認する」です。広井良典教授の「日本社会はどう変わるべきか」というインタビュー記事を素材に、中3向けと高3向けに分けてプロトタイプを先生方はつくってきました。2チームに分かれて作成したようです。

★柴田校長は、今ちょうど、今年から定期テストをなくして、単元テストにシフトする話をしてきたところだから、おもしろいと前のめりになって参加していました。そして、次があるからすぐ退席するはずだったのが、2チームのプレゼンを傾聴し、質問し対話するところまでいました。

★テストというのは「評価」の機能を果たします。しかし、その評価が世界標準でなければ意味があるのだろうかという疑問を常日頃抱いていた柴田校長は、国語科の先生方のPBL型授業と一貫性をもって連動している単元テストの問いの立て方と、単元を超えて次につながる意味を先生方が語っているのを聞いて、自分の教育の考え方とすり合わせをしたくなったのだと思います。

★国語科の先生方も丁寧に回答していたし、中3では、東大の社会の一般入試の記述に似ているレベルだとか、高3は東大の推薦入試や帰国生入試のレベルになってしまっているけれど、私たちの生徒は考えていくことができるという手ごたえを感じているとかという話題もでました。そのような自信を持っている姿に柴田先生は改めて感動していました。

★別に東大のためというわけではないけれど、東大の一般入試の記述は、教科書に書かれていることをきちんと理解しているかどうかを検証するのにちょうどいい問いだし、東大の推薦入試や帰国生入試の問いは、国際バカロレアのTOK(知の理論)の問いと同レベルなわけですから、世界標準の評価視点を国語科の先生方は持っているとピンときたのでしょう。

★柴田校長の前職の学校から、毎年10人前後の東大合格者が輩出されていたし、実際に自分の教え子が進学しているので、感覚的にもわかるのだと思います。

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★柴田校長が次の仕事のために退席された後、国語科の先生方は、それまでの対話や議論をまとめる作業に入りました。ポストイットに情報を書き出して、カテゴライズして並べていく作業は、もはやルーチン化していて、さくさく進んでいきます。

★日ごろのPBL型授業と同様にワークショップ型展開はお手の物です。ICTも活用しているので、話し合っていることを、その場で同時並行的に言語化していきます。なんと第2ステージはこれにて到達完了です。単元テストの意義をまとめるのに、2時間強でやってしまったのです。一般にこの手のコンセプトを創っていくとなると、1週間から1カ月はかかるでしょう。

★しかし、風通しの良い品川翔英は、校長もいっしょになって考え、ワークショップで議論して合意形成もしていけるし、ICTですぐに作成もできるという意思決定の時間圧縮に成功しているのです。

★ところで、単元テストの意義はどうなったの?それは実際に学校説明会でお聞きください。現実的で世界観を広く深くしていける、かつキャリアデザインにつながる未来性もあるものになっているはずです。

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★チェックアウトは、井庭崇教授監修の「プレゼンテーションパターン」のカードを使いました。単元テストは、その単元を通して生徒に先生方の想いと未来を魅せるプレゼンテーションでもあります。どんな想いでテストを作成しているのか、カードを3枚ずつ選んで自分の想いを語り合って終わりました。「成功のリマインド」「心に響くプレゼント」「自信感の構築」「生き方の創造」などのカードを手に熱く語り合う姿に、品川翔英の希望が映し出されていたように感じました。

★第1ステージは、先生方1人ひとりのPBL型授業のデザインや実践のブラッシュアップを国語科全員で対話しながら行ってきました。今回のパンデミックで、オンライン授業の応用も一挙にシェアできました。

★国語科の活動やICTの使い方について、全教員とシェアする研修も国語科の平岡先生はやってのけました。

★第2ステージは、動きながら考えている「単元テスト」の意義をこれまた一挙にまとめました。

★帰り際に伊佐野教頭先生と少し話をしました。校名変更、共学化、カリキュラム変更、PBL授業化、そしてオンライン授業・・・とあっという間でした。気づけばもう9月も終わりです。文化祭のシーズンを迎えます。この密度の高さを先生方と一丸となって取り組んで、何かに突き動かされて進化している感覚を日々感じていますということでした。

★次回からは第3ステージです。またご報告します。

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