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2020年9月24日 (木)

21世紀型教育機構5.0(02)シノプティコンパラドクス!パンデミックで公益性や黄金律=一般意思の再定義に気づく。

★9月19日に行われた21世紀型教育機構のオンラインセミナーは、それだけでもポストコロナ時代の教育のプロトタイプを示すものでした。同機構理事長吉田先生もオンラインで現実と未来を結びつける高感度なミッションを語り、副理事長の平方先生が資料を共有しながら語りました。お二人はZ世代ファーストといいながら、団塊世代の自身の世代を越境して語り、何よりZ世代といっしょに学びの環境を実際に創っている当事者です。

★巷の世代論をすでに破壊していますね。私学人の一大特色である創造的破壊者の面目躍如でした。小賢しいマーケティング日和見主義者とは違います。世代を超えて、共感できるのは、このブレない創造的破壊をなし、日和見損得勘定主義という悪貨に良貨が駆逐されないように、踏ん張る教育出動をするところです。

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★そして、この理念を具現化すべく、各加盟校の21世紀型教育コーディネーターがオンライン上で対話しました。ナチュラルな感じで、互いの実践をリスペクトしながら独自の実践を共有するという公益性を生み出していきます。

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★この公益性は、しかし不思議なもので、日ごろから語り合っているものでもありません。なぜなら加盟校はそれぞれ独立して学校を経営しています。ですから、吉田理事長や平方副理事長が、加盟校に上意下達的な指令を出す組織ではないのです。すなわち、加盟校が独自に判断しているわけですが、このような公益性というか共創の行為を展開しているのです。

★おそらくこれは、機構の規約の前文にある「黄金律」を受け入れることを同意しているために、ピラミッド型組織ではなく、≪私学の系譜≫の原点である啓蒙思想の社会契約的な組織が出来あがtっているのだと思います。

★平方先生が、NY国連の平和のギャラリーにディスプレイされているノーマン・ロックウェルのモザイク画を共有しながらそのことを語りました。ロックウェルのモザイク画は21世紀型教育機構の理念やミッションのシンボルだからです。

★国連は、「あなたがしてもらいことを他者にもしなさい」という黄金律はキリスト教だけのものではなく、すべての民族、人種、宗教など分断している壁を越境する共通する理念であると語っています。グローバル教育を掲げている21世紀型教育機構もそれは同じ想いです。

★このことは2011年発足以来、機構の中で何度も語られてきたのですが、今回のパンデミックに直面したいまここでこそその重要性を身に染みてわかることになるとは驚嘆です。

★機構の組織の在り方自体、この黄金律のミッションを共有するゆるやかだけれど21世紀型教育を実装する教育コミュニティです。たんなる合同説明会のコミュニティとは違います。J.J.ルソーが、リスボン大地震以降、キリスト教を持ち出して論じることができなかったので、普遍的な視点から社会契約や一般意思について論じました。これはまた明治以降生まれた私学の精神に引き継がれ、以降≪私学の系譜≫が連綿として続いています。21世紀型教育機構は、この系譜であることを改めて感じ入りました。

★いずれにしても、今回のパンデミックで、黄金律や公益性、一般意思というものの再定義を始めたのが同機構なのでしょう。黄金律や一般意思は、国会できめたものでもないし、誰かが強制するものでもないのです。社会契約とて、私たち一人一人が契約書を書くわけではないのです。

★それなのに、そのルールを認識し、共に組織や社会を創っているのです。21世紀型教育機構のこの在り方こそ、明治維新のときに、官製教育を生み出した官僚近代社会に対し、もう一つの近代社会をつき続けてきた私学の本意でしょう。

★しかし、なぜこれがなかなか成り立たなかったかというと、時間と空間の制約があったからです。情報の非対称性がそれを阻み、格差社会を生み出してきました。それがオンラインによって越境できるようになたったのです。新しい経済、新しい社会、新しい教育の生まれる時がきたようです。

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★21世紀型教育機構の各加盟校は、自粛期間中に、同じように悩んでいる世界の学校と共に語り合ってきました。別に彼らと社会契約も黄金律に従うこともサインしているわけではないのです。

★パンデミックの世界同時的経験を通して、ダボス会議もサンデル教授もあの落合陽一氏も、新しい経済、新しい倫理を生み出すクリエイティブクラスの台頭を予言しています。

★21世紀型教育機構は、加盟校の規約に、黄金律とクリエイティブクラスを大事なキー概念として採用してきました。

★平方先生は、それを今一度確認しました。しかし、その確認は、今だからこそとても大事です。オンラインという国家法を超えたアーキテクチャー法によって私たちは今回動きました。フェイクニュースやヘイトスピーチも山ほどあるサイバー空間でも、それらから自由を守り、生徒の息吹を汚さないようにするには、そのアーキテクチャー法が黄金律をリスペクとするものであるとよいわけです。

★楽観主義かもしれませんが、ブロックチェーンという相互監視のシノプチコンアーキテクチャーのパラドクス。シノプチコンが黄金律を共有する世界を創っていきます。そのようなことを考え実行することこそ世界の学校としてリーダーシップを発揮していくことができるでしょう。

★ダボス会議でもサンデル教授も、今「哲学」が必要だと。21世紀型教育機構は、すでに「哲学」の重要性を語り、実際にPBLという授業の中に内燃させてきました。そして、今回のパンデミックで、英語で哲学的対話を世界の人びとと出来るようにしようと動き始めました。

★そのプロトタイプとして、小学生と中学生対象の哲学セッションも同時開催しました。ファシリテーターは、機構の盟友アレックス・ダッツン先生です。アレックス先生は、ケンブリッジ大学で哲学を学び、日本の多くの中高や慶応大学などで哲学授業を英語で行ってきました。

★今はイギリスにいったん帰国し、哲学の博士号を獲得さるために研究しています。オンラインセッションだからこそダイレクトにアレックス先生と生徒が対話できるのです。

★このような人材と知の共有を時空を超えて出来てしまう学びの組織。世界の学校と言わずして何と言いましょう。文科省がこれをやろうとすると10年かかるでしょう。ですから、10年後のシーンを21世紀型教育機構と共にいまここで思い描く生徒や保護者や学校が増えることを大いに期待したいですね。

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