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2020年9月 7日 (月)

2021年変わる中学入試(06)京華中学のオンライン説明会の表現力 5Gで男子校を語る。

★首都圏模試の「おうちdeオンライン説明会・相談会」のサイトを閲覧していると、なるほどっとか、これいいねとか感じる動画に出会います。男子校の京華中もその一つです。5月に作成されたものなので、その時世間が注目していたオンライン授業についてまずはきっちり発信していました。

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★オンディマンド(反転学習)×プラットフォームで学習課題のやりとり(グーグルクラスルームのフル活用)×双方向型対面オンライン授業というオンライン授業フルセットで行っていることがよくわかります。私立学校はなんらかのオンライン授業を行っていますが、プラットフォーム経由で課題配信だけというのが首都圏私立中学では70%くらいでしょう。

★オンディマンド×プラットフォーム配信とさらにそれにテレビ会議システムを加えたオンライン授業というのは30%くらいです。日本全体となると、ここまでフルセットで実施するというのはとてつもなく少ないと思います。

★その意味では同校は、果敢にチャレンジしたということですね。

★もう1つ興味深かったのは、男子校の特徴を長々と述べるのではなく、同校の教育の特徴を5つの側面(5G:Gentleman・Generate・Genuine・Global・Grit)から説明し、そのそれぞれの中に男子校の特徴をコンパクト織り込んでいました。

★たとえば、Genuineという本質に迫る教育を行っている。自分の考えを開放的な雰囲気の中で述べることにより、失敗しても恥ずかしくない環境が必要だと。物事の本質に迫っていくには、この開放的な雰囲気が大事だけれど、それは思春期において女子の目を気にしなくてよいからできるという男子校のメリットがあると。

★男子校の特徴としてよく言われることなのですが、この京華の5Gというコンセプトの中に男子校の一般論を織り込むことで、同校ならではの男子校の特徴として受けとめられるわけです。広報の表現の創意工夫が際立つ局面です。

★こういう抽象と具体のカップリング表現によって、いろいろな要素がバラバラに語られ、盛沢山の説明になるのを回避しています。それによって、聴いている方はズシンと塊感を受けとめるのです。

★またGRITを持ち出しています。本来的なGRITの考え方というより、根性とか、逞しい身体とか、確かな学力を統合している教育があることが伝わってきます。男子校らしい根性も、どこかソフィストケートされた感じだし、新しいという感覚、革新的という雰囲気が伝わってきます。

★授業がPBLやアクティブラーニングになっているかは、前面にはでてきませんでした。それはまだ教師によるのであり、かえつ有明や和洋九段女子、三田国際のように全面的に学校で取り組むということではないのでしょう。しかし、GLOBALという切り口では、当然そのような授業展開が映し出されています。

★かくして、合理的で熱い説明に、息子を持っている多くの保護者が共感するはずです。

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