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2020年9月 1日 (火)

ポストコロナの大学入試問題(07)本日9月1日、SFC 夏のAO入試 面接中止を発表 3分間プレゼンのビデオの扱いは?

本日9月1日、慶応義塾大学湘南藤沢事務室アドミッションズ・オフィスは、「総合政策学部・環境情報学部」の「2020 夏 AO」において、2次選考=面接を実施しないことを発表しました。

★新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるもののようです。したがって、合格発表については、1 次選考合格発表(9 月 24 日(木)~)は行わずに、いきなり最終合格発表(10 月 6 日(火)11:00~)となります。

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★このような判断ができたのは、このようなこともあるかもしれないと初めから織り込み済みで「3分間プレゼンテーション」を課していたからでしょう。ですから、1 次選考免除申請者の最終合否は書類(資料を含む)と「3 分間のプレゼンテーションビデオ」により選考し、総合的に判定するということです。

★そして、2021年度の1 次選考免除申請は,総合政策学部・環境情報学部のいずれかの学部で 1 回限りとしていたのですが、2020 夏 AO の 1 次選考免除申請者の判定が不合格だった場合、次回以降の 1次選考免除の再申請を、1 回限り認めるようです。

★さて、今年の募集要項には、志願者全員に、「f.任意提出資料」の項目に、必須資料として「3 分間のプレゼンテーションビデオ」を提出することを課していますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、急遽決定したため、オンライン出願システムの改修が間に合わないため、必須の提出物ですが、「f.任意提出資料」へのアップロードをお願いするというものでした。

★そして、今回、1次選考免除申請者には、「3分間プレゼンテーション」を活用すると明快に知らされているのに、そうでない場合は、どうなるかは明記されていません。任意提出資料にアップロードするけれど、必須提出物なのだから、結果的には「3分間プレゼンテーション」ビデオは、判定判断の重要な項目であることは間違いないでしょう。

★入試も俳優などのタレントのオーディションのようになってきました。タレントは才能という意味もありますから、そのオーディションの方法と親和性は高いのでしょう。

★本質と表現力は違うという時代から、本質と表現力は一致する時代に入ったことになります。ホンネとタテマエは真逆ではなく、ホンネ以上を表現するタテマエづくりの時代になったわけです。思いや感じていることと表現行動が一致以上という時代が、コンピテンシーの時代ということです。大学入試問題が、一つの正義を規定してしまうとは!

★偏差値は、想いや感じていることと表現行動が一致しているかどうかは関係ありませんでした。よって、コンピテンシーもまったくどうでもよかったわけです。

★それが総合型選抜が増えるにしたがって、コンピテンシーの時代になってしまいました。これは、想いを表現しなければ入試市場のプレイヤーになれないことを意味します。コンピテンシーとはビジネスの世界で成功した人材の能力に絞りこんだものです。

★思想=行動が市場の競争原理にさらされるわけです。1919年以降、米国ではすでにそういう方向でした。100年たって、日本でもそうなるということですが、それがよいのかどうか?

★偏差値でもない基準、コンピテンシーでもない基準はあるのだろうか?あるんですね。これまでは、偏差値の推移も作品の軌跡も、ポートフォリオという発想で評価されてきました。これ以外にプロセスフォリオというハワード・ガードナー教授の提唱する考え方があります。

★いずれそのような手法を活用する総合型選抜入試もでてくるでしょうが、現状ではAO入試は、ポートフォリオどまりです。自分を自分以上に表現するスキル、つまりサバイバルスキルを身につけなくてはならない時代ということです。

★ありのままにではなく、ありのままに以上に気づいた新しいありのままの自分を表現するということです。たいへんな時代になりました。要素還元主義から構成主義にシフトする一つの意味は、こういうことだったのですね。シナジー効果とはこういうことだったのかあと少し戸惑っていますが。

★AO入試に臨むには、今の自分をリフレクションし、願書を出すまでの間に早急にさらに大きな自分を完成しなくてはならなくなるのですから、大変です。

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