工学院インパクト(10)私はどんな結婚観を抱いているのか?生命と結婚の人類史。
★民法改正によって、2022年から、140年ぶりに改正された成年の定義が施行されます。18歳成年になるということですね。高校卒業時になるのです。ですから、これからの中高生はその準備をしなくてはなりません。今回の片瀬先生の家庭科のPBL授業やその授業とダイレクトに連動している柴谷先生の保健体育の授業は、そこを見据えているということでした。
★民法改正によって変わることは、結婚の時期が、女性も男性も18歳からということです。高校卒業同時に女性も男子も成年として家庭を持つことができます。契約やクレジットカードや10年パスポートや多くの点で法的に変わります。今までのような倫理観をベースにする授業だけではなく、社会生活すべてに存在する法律が適用されるわけですから、リーガルマインドも学ぶ時期でもあります。
★しかし、そう言われてもピンとこない部分もあるでしょう。成人するということは即法律的な意味での男女の契約である結婚という話なのだと言っても、頭で分かっても自分事にはなかなかならないのは世の常です。
★そこで、事実としてどのような結婚のスタイルがあるか調べ、その結婚について感じたことや自分の考えを書いてプラットフォームで授業前に送信するという反転学習から入りました。
★このさりげない問いですが、これは慶應義塾大学の法学部のFIT入試(総合型選抜)B方式で出題する問いのスタイルと同じです。リーガルマインドでは、存在から規範が生まれるのか、存在から規範は生まれないのか、存在と規範の関係は重要な法の基礎症ということになっています。
★婚姻は長い間男性と女性が結ばれてきたという事実が存在しているから、それが結婚なんだとするのか。それは時代や社会がそうしてきた要因があり、だから男女でなければならないということではないのだとするのか、そもそも事実とは存在とはを巡って法的紛争は紛糾するのです。
★ですから、まず世界にはどんな婚姻形態が存在しているのか生徒は調べることになったのです。単婚、複婚、異類婚、同類婚、同性婚、おめでた婚、ドラクエ婚、VR婚など、さすがじゃデジタル世代だけのことはあって、様々な婚姻の形態を調べてきました。
★その中から一つを選んで調べていくというような学びを行ったり、日常当たり前のはずの婚姻も、明治の民法と現行の民法を比較スタディをすると違うことがわかります。
★最近のニュースで報道されたタイでもようやくパートナシップ法案が通過したという記事を読んで、国によっても考え方や価値観が違うということも話し合ったようです。
★人口推移表や人類誕生来の世代がどのくらい続いているのかなどデータを読み込みながら、婚姻と子孫の関係も考えたということです。
★その歳、同性婚についてミニデイべーとをするなど、結婚の価値と法律のズレをどうするのかなど視野は広まり深まてちきました。しかし、一方で結婚と誕生があれば、別れもあり死もあります。人間の存在とは、そのすべてに直面します。そこをさけることなく、正面から見つめる授業が片瀬先生の授業だったのです。
★保健体育の授業でも、結婚と妊娠という生命の誕生の議論、同時に中絶などの社会的、文化的、政治的問題を語り合うそうです。しかし、なんといっても女性のケアの問題やハラスメントの問題など身近な法律問題についても対話するそうです。
★ケア、倫理、そして法律。それらを考えるうえで、文化人類学、カルチャラルスタディ、フェミニズム学など多角的なアプローチをする授業が工学院の家庭科と保健体育で行われてきたのです。
★柳田先生が、社会科の授業では、そこを触れたくても、そこまで触れる機会は創れていないけれど、その人として大切なことを自分のこととして考えたり思いを馳せる授業でなくては確かに意味がないと。改めてそこを盛り込んだ授業デザインをしたいと。
★そういうわけで、自らハードルを上げて、次回のPBL多次元モニタリング分析会で自身のPBL授業のプレゼンをするということになりました。
★このモチベーションの高さとそれを誘う仲間たち。恐るべし(汗)。
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