2021年変わる中学入試(04)パンデミック入試に影響を与える文科省
★昨日9月4日、一般財団法人東京私立中学高等学校協会が、2021年の中学入試・高校入試でオンライン入試自粛することを決定したことに影響を与えているのは、文科省の公表した「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」~(2020.9.3 Ver.4)」であることは推測に難くありません。
★このマニュアルは、すでに公表されている「「新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドライン」(令和2年6月5日事務次官通知)」をベースに最新のデータなどを追加したもので、ベースは変わっていませんから、中身の紹介をすることはしません。
★ただデータとして、児童生徒の感染者数が増加はしているけれど、右肩下がりになっているグラフや感染経路が家庭というのが多い現状とか死亡率が他の世代に比べて少ないデータとかが公開されていて、それを見る限り、ガイドラインに沿って、3密を避け、マスク着用、消毒、検温などの徹底をすることが優先されると判断せざるを得ないというコトもあります。
★そうはいっても、感染リスクがゼロであるわけではありません。本来PCR検査を諸外国のように広範にできるようにすればよいわけですが、日本はそうしない事情があるわけです。
★その事情に正面からぶつかるようなオンライン入試を公然とするわけにもいかないでしょう。
★もちろん、文科省に私立学校が従う必要はないわけですが、あまり無視すると、助成金を絞られるというパワーコントロールの逆種があります。このパンデミック下で、それに応戦するのは戦略・戦術的には賢いやり方ではありません。
★それで、いざというときには、しかたがないという道を残したのです。つまり、オンライン入試あるいはSFC方式で乗り切れる道を残したのでしょう。
★ダボス会議のように、来春1月の定期総会を9月に延期し、1月はデジタル上でつまりオンライン上で「ザ・グレート・リセット」について「ダボス・ダイアローグ」をする仕掛けを創るという動きは、私立学校も本来できるわけですが、ダボス会議の背景にいるGAFAのように、国家や中央銀行をスルーして新たな貨幣を活用できる巨大なしかもボーダレスな会員数を保有しているIT産業とはまた違います。攻防戦には巨額の資金がいるのです。かれらは、それとて投資だぐらいにしか考えていないでしょう。
★その点は、私立学校は資金繰りはたいへんな日々なのです。経営か感染完全予防か?しかし、この二者択一の危うさを回避する高等戦術も大切です。
★それゆえ、限られた資源で最大の智慧を生み出す方法を編み出しているのです。そして、それができる背景にはパンデミック入試の本質を今回のオンライン授業やオンライン説明会の経験を通して深く理解したからでした。なんて逆説的な!(つづく)
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