2021年変わる中学入試(03)パンデミック入試へ
★昨日、森上教育研究所代表の森上氏は、SNSで、「東京私立中高協会、オンライン入試自粛を申し合わせ」と速報を流しました。原則、東京都の私立学校はオンライン入試を行わないと。ただし、万一感染拡大する状況になれば2月1日からの解禁日を先送りし、全体的に日程をずらすということらしいですね。また、新型コロナウィルス感染防止のためにキャンパス内での試験会場が密になる場合、校外施設で実施することは可だということです。
★オンライン入試の公平性・信頼性・正当性・妥当性の見通しがたたない現状で、オンライン入試はいったん見送り、最大限新型コロナウィルス感染防止策をリアルな空間で努力してからということでしょう。
★大所高所から比較考慮した結果出された判断であり決断だったと思いますが、オンライン入試をいったん保留しても、結局は従来の試験を行わないという点こそが重要なんですね。オンライン入試のデメリットとメリットを考えたうえで、オンライン入試でのメリットのエッセンスをリアルな入試でまずはやろうとしているのですから、もうこれは「パンデミック入試」と呼ぶしかないでしょう。
★どういうことか?まずはデメリットですが、国内外の「オンライン授業」はメディアの多くがそのデメリットや評判の悪さを報道し続けています。実際には、ミネルバ大学や秋田の国際教養大学のように、効果的にオンライン授業を実施しているわけですが、その点を取り上げる報道が少ないわけです。
★というのも、オンライン授業や入試は、学校と受験生の双方のインフラ環境やネットの環境の調整が意外と難しいのとデバイスによっては受験生はいろいろなことができてしまいます。そもそもオンライン授業では、画面上に資料を映し出しながら、やりとりしているわけです。それがオンライン入試でも行えるわけです。もちろん、それを監視することは可能ですが、そんなことはコストがかかりすぎます。現状では現実的ではありませんね。
★しかし、今でも学校再開になり、検温、アルコール消毒、マスク、ソーシャルディスタンス、アクリル板設置などのリアルな場での感染防止策でなんとかなっているのですから、このニューノーマルなリアルな空間を使った方が入試の公平性、信頼性、妥当性、正当性などが担保されるだろうと。
★そのとき、校外の施設を活用していよいのだと。すると、ここに意外にも、いや想定内なのかもしれませんが、校外入試が広がる可能性があるわけです。オンラインは使わないけれど、キャンパスから飛び出るわけですから、ちゃんと空間越境入試になるわけです。
★また、万が一のときには、2月1日から入試を行うという紳士協定は、特例として解除され、1月にうってでてよいと。これも、オンライン入試はしないけれど時間越境入試になるわけです。
★このように、オンライン入試はしないけれど、「ニューノーマル入試」であり「空間越境入試」であり「時間越境入試」です。リアルな空間でぎりぎり、オンライン入試が得意とするメリットのところは活用するわけです。「パンデミック入試」と私が呼ぶ理由はまずはこの3点ですね。
★しかしながら、「パンデミック入試」の凄さは、もっと本質的な様相を既に呈しているのです。(つづく)
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