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2020年9月20日 (日)

思考コードがつくる社会(17)神奈川女子の良心 フェリスと横浜雙葉

★晶文社の「2021首都圏受験案内」に掲載されている「思考コード」データをいつものように活用して、神奈川女子中学5校を比較するグラフを作ってみました。湘南白百合については、社会と理科のデータが掲載されていなかったので。国語と算数の2科の平均です。

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★どの学校もA1A2思考とB1B2思考までは学ぶ必要があります。合格戦略としては、湘南白百合は、B2の問題はスルーしてもよいかもしれません。つまり、湘南白百合は、合格戦略としてはA1A2B1思考でよいわけです。

★ですから、横浜共立と―湘南白百合の併願の場合は、このA1A2B1思考だけできっちり押し進めていけば効率はよいかもしれません。横浜共立は湘南白百合よりB2思考を出題しますが、20%くらいの出題ですから、合否の決め手にはならないからです。B1まできっちり学んでいれば、B2思考の問題も合格するのに必要な分は解けるでしょうし。

★横浜雙葉―湘南白百合、フェリス―湘南白百合の受験生の合格戦略は、A1A2B1B2までしっかりやらなければなりません。が、結局、3校の併願校湘南白百合は、色を出さないという戦略です。

★そんな中で、洗足学園は、複数回数入試でゲリラ戦をしかけてきました。上記4校は、伝統校です。洗足学園は革新校です。破格のグローバル教育で魅力を発信してきました。帰国生の心をがっちりつかみ、国際学級で実績も出していきます。国際学級の影響を学内の一般クラスにもシェアしていきます。今では多くの学校で当たり前の現地校の3か月留学、9カ月留学も、中学段階で行うことを最初にやってのけたのは洗足学園です。

★ハーバードや東大も出始めました。伝統ブランドだけでは満足しない進取の気性に富んだ保護者も増えました。そこに、A1A2A3B1B2の入試問題を行うようになりました。フェリスや横浜雙葉に向けて受験勉強した生徒の学力にマッチングするように問題作成をしたのでしょう。

★このレベルの生徒は、易しい問題ばかりや暗記問題ばかりだと、自分の学びのプライドから判断して、その学校を選択しないという傾向があります。すでにに日常化されたモノを覆す発想を持っている受験生です。こういう受験生の学びは、実はフェリスや横浜雙葉のC1思考に突き動かされます。合否に関係なく、中学受験を通して本物の学びをしたいという判断力や意志を持っています。すでに小4のときからそういう志向性を持っています。

★彼女たちが引き込まれる世界はC軸思考だし、自分にとって本物の学びは何かの判断力がちゃんと働くのです。

★そして、ついでに、本物の学びと合格戦略はまた別だという見識も持っています。豊かさと戦略の両方を使い分ける知性と合理性を持ちえています。ある意味、合格戦略のためだけの学びに偏らないようにしているのは、フェリスや横浜雙葉のC軸問題があるからですね。男子校だと栄光がそうです。

★フェリスや横浜雙葉の問題は、中学受験生を通して本物の学びの大切さに気付かせる良心だともいえましょう。

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