2021年変わる中学入試(03)新渡戸文化の画期的な中学入試 生徒が主語である学校のアドミッションポリシーとはこれだ。
★先ほど、山本崇雄先生から、メッセンジャーで連絡をいただきました。2021年の中学と高校の入試が決まったという内容でした。「4科」、「2科」、「適性検査」、「好きな入試」の4タイプ入試なのですが、4科目入試以外は、いずれも新タイプ入試なのです。エッ!「適性検査」「好きなこと入試」が新タイプ入試なのはわかるが、なぜ「2科目入試」が新タイプ入試なのか?
★その画期的な理由を述べる前に、もう一つ驚くべき画期的・革新的な決断があります。すべての入試の「受験料無償化」を決めたのです。その理由はこうあります。
「新渡戸文化中学・高等学校(東京都中野区)では、この度2021年度入学試験において、すべての受験(中学校・高等学校)において受験料を無料とすることといたしました。これは新型コロナウイルス感染症にかかわる経済支援として実施するもので、経済的な負担などを理由に進学をあきらめてほしくない、という願いから決定しました。」
★驚き以外のなにものでもありません。子供をめぐるあらゆる事態を想定するケアの精神がある証拠ですね。
★そして、「2科目入試」も「45分の集団面接・グループワーク」を行うというのです。
★新渡戸文化の革新的な学びは、今年になって実施されました。4年生、5年生のころから受験準備をしている生徒にとって、知らなかったよお。知識よりも対話や考えることでチャレンジしたくても、もうあと半年しか準備できないよとがっかりする生徒もいるでしょう。そのような生徒に対しても、チャンスをつくるというのは、これぞ個別最適化の本意でしょう。
★ハピネスブリッジを生み出すために、生徒1人ひとりの才能を大事にしているのが新渡戸文化学園です。2科目の入試がかりにうまくいかなくても、自分のやりたいことがある生徒の潜在的な力を見出してくれるに違いありません。
★そして、いわゆる中学受験勉強してこなかったけれど、思い切り自分のやりたいこと好きなことを中高でのびのび探究していきたいという生徒にも機会を開いているのです。「好きなこと入試」は、同校が大事にしている主語は生徒であるというコンセプトをダイレクトに反映した入試ですね。
★また「4科目入試」も設定しています。4科目の学びに挑戦してきた生徒は、実はGRITがある可能性があります。ルビンの壺よろしく、4科目の力の背景にGRITの能力が隠れている場合があります。そのような生徒にも道が開かれているわけです。
★今や中学受験を巡る生徒の環境も様々です。多様な環境は、生徒の価値観や考え方や感じ方の違いが反映しています。その違いを丁寧に引き受けた入試のあり方をデザインしたのです。このアドミッションポリシーは、もちろん、カリキュラムポリシー、ディプロマポリシーに貫徹しています。
★つまり、すべての生徒が自分ひとりひとりの才能を豊かにできる学校ですね。その豊かさが陽だまりの心のぬくもりを生み出します。ハピネスブリッジは、この心のぬくもりに現れるのでしょう。
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