聖パウロ学園 イノベーティブエデュケーター(02)men for othersとしての<対話>が浸透①
★カトリック修道会では、19世紀ぐらいから教育修道会というのが果敢に新しい教育にチャレンジしました。それまでの修道会は、祈りと観想が中心でした。しかし、18世紀末から、革命、戦争、パンデミックで多くの窮地に陥った子供たちや虐げられた女性があふれでました。近代社会立ち上がりにすでに露呈した矛盾です。これが手を変え品を変え、ずっと今日まで続いています。ですから、この教育の力で救済しようという動きは、修道会にとっても近代的な行為なのです。そして、それは今も続いています。ですから、この教育によって、近代社会の矛盾を解消しようと立ち臨んでいる教師のことを、カトリック学校では、自ら19世紀の頃から<イノベーティブエデュケーター>としてみなしています。
★PCもなかったころからイノベーティブだったの?と驚かれるかもしれません。そうです。そういう意味では、中世、古代とさかのぼっても、イノベーティブな人間はいたといえるかもしれません。そもそも聖書は、イノベーションの産物です。いやイノベーションの泉です。聖書の世界は、新しい人に生まれ変わることのススメがいたるところに書かれているのですから。
★聖パウロ学園は、その聖書の中の一節「自分が人にしてもらいたいことを、すべて人にしなさい」というゴールデンルールというマインドをスクールモットーにしています。NY国連のギャラリーには、このゴールデンルールを刻んだノーマンロックウェルのモザイク画が陳列されています。国連は、このゴールデンルールは、キリスト教のマインドだけではなく、すべての宗教、すべての民族、すべての人種、すべての異なる文化に共通するルールだとしているのです。
★このゴールデンルールは<men for others>と置き換えられます。もっと簡単なそして深い表現では<隣人愛>ということですね。
★昨日8月22日(土)、聖パウロ学園はオンライン学校説明会を開催しました。8月1日にリアルな会場での説明会を行ったのですが、オンラインでも行うというのは、1日は、ソーシャルディスタンスを徹底するために、定員制にしたため、参加できなかった受験生もいたからです。
★同校は、授業だけではなく、説明会もリアルとサイバーの両方の時空で行うハイブリッド型の教育を行っているということがすぐに了解できるでしょう。
★今回のパンデミックで、すみやかにオンライン授業に移行できたのは、インターネット環境やWifiが完備されていたからではありません。ICTコンサルタントにフォーローしてもらっているからというわけでもありません。いまここにあるインフラや道具、自分たちがもっている知恵を出し合って、こんなとき自分ならどうしてもらいたいかを考え、それを生徒に行うというゴールデンルールに基づくメンタルモデルがそうさせたわけです。
★オンライン説明会の中で、佐々木校長は、「過去にこだわる必要はない。過去は変えられない。でも、いっしょに未来を創っていくことはできるんだよ」と語り掛けています。聖パウロ学園で、新しい人になろよと。柔らかいそれでいて強烈なメッセージです。
★まさに、<イノベーティブエデュケーター>の典型です。(つづく)
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