ポストコロナの大学入試問題(02)同志社大学のAO入試&公募推薦が内的な変化を生む可能性
★同志社大学のAO入試や公募推薦入試は、基本は書類選考→小論文×口頭試問・面接で選抜するシステムで外から見たら今まで通り変わっていないかもしれません。
★書類は、多様な提出フォーマットがあるわけですが、重要なものは、調査書の成績の平均スコア、英語力、志望理由書でしょう。成績スコアは学部学科によって違います。たとえば、法学部だったら、4.0以上、理工学部だったら4.3以上となっています(年度によって変わるので、入試要項を確認してください)。
★それから、英語力も、慶応のFIT入試とは違って、英検やTOEFLiBTのスコアを証明しなければなりません。もちろん、慶応は、自己推薦書やいろいろなところで自己アピールの基礎要素として自己申告するのは当然ですが、英語が得意でない場合でも挑戦できるという点では少し間口が広いかもしれません。
★ともあれ、同志社の場合、スコアは学部によって違いますが、CEFRでB2は必要になりそうです。B2というのは準1級です。B1の学部ももちろんあります。英検だと2級ですね。
★かくして英語の民間資格試験は、今も昔もAO入試や自己推薦入試で活用されているわけです。選抜システムとして、効率が良いから利用されるわけですね。ところが、オンライン授業が展開されるようになって、今後状況が変わるかもしれません。各大学が独自にCEFR基準でオンラインテストを実施する可能性があります。
★CEFRテストというのは、もともとないわけです。欧州評議会がデザインした言語の世界標準の基準です。それを各民間検定試験やNHKのラジオ講座で活用しているわけです。大学が独自に活用してもなんら問題ありません。
★生徒も、CEFR基準にのっとりながら学習をすすめていくとふと気づくはずです。B2C1となるにしたがって、高次思考が要求されているということに。200語ぐらいのエッセイライティングも必要です。日本語で400字ですよね。
★志望理由書は大学によって違いますが、1000字くらいから2000字くらいですが、要約すると200字くらいになるでしょう。ということは、英語で200語のエッセイライティングは、なかなかのものなのです。
★英語と小論文は、CEFR基準が間にはいることによって、ばっちり結合します。というよりも、CEFRは英語に特化されたものではありません。言語一般の共通基準です。ヨーロッパの発想ですから、言語=思考という感覚ですね。
★立命館や近大だってそうなるのでは?何も同志社に限ったことではないと思われるかもしれません。その通りで、どこもそういう流れになる可能性があるのですが、≪私学の系譜≫の第一世代新島襄の大学だからこそ、それは大いにあり得るということなのです。
★同志社のAO入試や公募推薦は、アドミッションポリシーに新島襄の精神ががっつり入っています。上記の漫画ぐらいは受験生は読むでしょう。その新島襄マインドを貫くと、そういうことになってしまいます。
★もしこれが実現すると、内申点の意味がなくなります。内申点は学力保証というより、実際には学びの姿勢ができているか、GRITの構えが出来ているのかを表象する役割が大きいでしょう。そこはIBのスコアとは違います。
★ところが、CEFRのスコアはIBに近いのです。なおかつ学びの姿勢やGRITも保証します。その学校の基準と世界標準の基準とどちらを優先するか。ここの議論は高校の存在意義にかかわることなので、これ以上は書きませんが、いずれゆさぶられることになるでしょう。
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