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2020年8月 9日 (日)

聖学院インパクト(05)衝撃!授業戦略を精緻に描く。ICEモデル導入の本意。受験生必見。

8月6日、STUDY中学受験サイトで、「公開日:2020/8/6休校中のオンライン学習がもたらした、聖学院の新たな未来を築く教育」という記事がアップされました。この記事は、受験生と保護者は必見です。というのは、オンライン授業を契機にICEモデルを授業デザインとして導入したというのですから。エッ!たしかにすてきな授業が展開しているというのはわかりますが、これがどうして衝撃なの?と思うかもしれません。結論から言うと、聖学院に入れるうちに入らないと超難関校になってしまうということを意味しているからです。

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★まじ開成・筑駒を凌駕しようという本気を戦略的に着々と加速度的に進めているということです。2027年大逆転が起きているでしょう。もちろん、偏差値だけではなく、ホールマン教育としても男子校の新エリートリーダー校というポジショニングをゲットするでしょう。

★なぜ?そうそこが大切ですね。同記事によると「ICEモデルとは、主体的な学びを実践する学習法。ICEのIはIdeas(基礎的知識)、CはConnections(つながり)、EはExtensions(応用、拡大する)の頭文字をとっている。基礎知識を問いかけ、答えを導きだすことで理解を深め、生徒自身が応用できるように発展させていく学習法だ。「Google Meetによるオンライン授業では、ICEモデルの学習法の通り、教師から問いを投げかけ、生徒に考えさせます。1対1ではないので、教師の問いを生徒たちがみんなで考え、議論が始まり、答えを導き出す、作り出すという授業を行うことができました」と日野田教頭先生。ICEモデルの考え方により、対話を重視する聖学院の教育に沿った形でオンライン授業を行うことができたようだ。」ということです。

★受験生に配慮して、わかりやすくさらりと書いてあります。そして、各教科の先生方がICRモデルに従って、オンライン授業やハイブリッド授業をデザインし実施していると。その具体的ケースも丁寧に書かれています。これだけでも素敵だし圧巻です。

★ですから、これ以上述べる必要はないかもしれませんが、同記事が、筑駒や開成を突き抜けてしまう理由までは書いていないので、独断と偏見、妄想という誹りをうけるのを覚悟で少し述べてみようと思います。

★このICEモデルはカナダの公立モデルです。カナダは公立学校の教育の質が高く、地球市民育成のための教育で、そのためにはIBと同レベルの教育をシンプルにして市民全員に提供しています。その提供の骨子は、PBL(プロジェクト型学習)とルーブリックです。

★2013年ころからアクティブラーニングが急浮上した時に、日本の自治体でも導入したところがありましたが、PBLではなく習得型アクティブラーニングだったので、カナダの教育の底力が広がりませんでした。

★ところが、オンライン授業を契機に、聖学院はICEモデルを導入。これがすごいことになるわけです。もともと聖学院はPBLと思考コードをつかって授業デザインを行っていましたが、PBL授業や思考コードというルーブリックはなかなか使い勝手がよくなかったのだと思います。今回のICEモデルのように学内全体でシェアできたかというと必ずしもそうでない部分もありました。

★ところが、それを一気に突き進んだのです。ICEモデルはブルームのタキソノミーとピアジェをはじめとする構成主義や発達心理学の成果をマニュアル化したものです。カナダの公立学校全体でシェアするには、学問的理論をダイレクトに持ち込むのではなく、マニュアル化して誰でも使えるようにしなくてはなりません。

★要するに脱技能で、みんながICEモデルを使うとブルームやピアジェの発想や技術を活用できるようになります。生徒がICTを活用することで、ものすごい知的生産技術を活用できるようになるのに似ています。

★ICEモデルは、生徒のプロジェクトを3つの発達段階で相互評価するもです。Iは基礎知識を活用できるかどうか。Cは理解を広げ深めることができているか。Eは新たなものに適用し、論理的に思考し組み立てられるか。その評価はそれぞれの段階の問いかけを教師はできたか、生徒は自問自答できたかでエンパワー出来ます。視野を広げ探究を深めるT字型プロジェクトを評価できるわけです。

★思考コードでいう、A知識理解、B適用・論理がICEの3つの領域に丁寧に振り分けられます。さらに聖学院の問いかけは、批判的思考・創造的思考も射程にありますから、思考コードのC批判・創造的思考も、ICEのEの領域に盛り込まれています。

★ただし、50分の授業では、実際には、適用論理までいけば最適でしょう。ですから、ふだんのプロジェクト型の授業デザインは、知識・理解・適用・論理の思考領域を十分に対話しながら出来る授業デザインでよいわけです。

★カナダの公立学校もここまでをしっかりやり、IBレベルの教育の質の担保をし、海外の世界大学ランキング100位以内の大学に進むことができます。米国のオバマ政権もここをなんとか真似しようとしましたね。

★聖学院は、この授業の質をオンライン授業を契機に学校全体で共有してしまったのです。筑駒・開成はすばらしい教育を行っていますが、カナダの教育に比較すると突出しているとはいえないかもしれません。

★論より証拠、それは、文化学園大学杉並のカナダのディプロマコースの生徒が、すでに目を見張る成果をあげていることからもわかります。

★聖学院は、このカナダのディプロマコースをすべての生徒に環境として設定してしまったのです。

★すごいことです。しかしながら、もっとすごいことがあるのです。このICEモデルをベースにしながら、さらにそこに思考コードでいうC領域であるクリティカルシンキングとクリエイティブシンキングを中心にというかベースにして本格的プロジェクトを行ってしまうコースを2021年から創ります。

★社会貢献や社会起業、イノベーションを生み出す社会実装をしてしまおうと。そのスーパーモデルはすでにOBや在校生の中に何人もいるので、それをコース化したのが、GIC(グローバルイノベーションクラス)です。このコースでは、超ICEモデルを行うのです。

★どうです。IB教育のエッセンスを学内全体の共通基盤とし、その基盤のうえにさらに高次の学びの基盤を創っていくのです。思考コードでいうC領域以上のプロジェクトを行ってしまうというのでしょう。

★どうしてそんなことが言えるのか?同校の戦略的策士の面々を思い浮かべれば誰でも想像がつきます。学歴社会、偏差値中心社会を解消するには、聖学院の戦略的教育出動はポイントです。日本の教育を変えたい、世界を変えたいと思う受験生・保護者は聖学院に立ち寄れば、私の言うことがすぐに了解できるでしょう。

★私の今回の独断と偏見記事は、すべての受験生に語っているのではありません。未来のwell-beingを考えている受験生・保護者に語りかけているだけです。ご了承ください。

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