ポストコロナで変わるコト(01)大学入試の小論文の質が変わる
★入試において小論文の価値が今まで以上に重要になってくるのが、ポストコロナの大学入試であり、ふだんの授業です。大学入学共通テストは、なんだかんだといって教科書のレベルの枠組みに収まっています。リーディングリテラシーさえあれば、教科書を読めば7割はとれるでしょう。もうそれで8割とらなきゃとか9割とらなければというのは、本当はあまり意味がありません。
★しかしながら、この部分で競い合う不思議な事態が起きてるのも事実です。もしここを7割以上はAとして、8割でも9割でも差がつかなければ、すてきテストになるはずです。
★と、私でも思うぐらいですから、そうなるでしょう。
★7割できれば、知識が定着したということを示すというより理解力があるという意味で、このぐらいでよいのではないでしょうか。現実のコミュニケーションで100%理解するということはそもそもないでしょう。
★30%くらいはズレがあるのが普通でしょう。もちろん、それでは誤解の屋上屋を重ねるので、チェックします。しかし、そのチェックは対話という多角的な目を通すというやりかたです。
★このとき、ミスを目クジラ立てて指摘し、叱責する抑圧的な態度だと、真理は見えてきません。共感的なコミュニケーションが必要です。
★となると、大学入学共通テストで差がつかなくなります。どこで差がつかというと独自入試の小論文です。もちろん、すべての大学が800字以上の小論文を課すことはないでしょう。でも、400字くらいの小論文を課すことは難しくありません。
★おそらくそういう大学が増えてくるでしょう。さて、そうなってくるとどこで差がつくのか?400字ですから、2つくらいしかパラグラフは書けませんから、いわゆる一般的な小論文対策が効果的ではありません。
★ジレンマを見い出すクリティカルシンキングともう一つ重要なスキルを必要とします。
★今までののように、ファクトとオピニオンなどの基礎スキルだけでは差がつきません。ジレンマを見つけられるか、そしてそれを解決するために、実はなぜその学部を選んだのかがわかるスキルを活用することを要求されるようになります。
★大学入試は今までは、知識がどれくらい定着しているのかその多寡と一般的な論述スキルが身についているのかどうかが評価の対象でしたが、今後は、知識の定着度はレンジ別になり、論述スキルは一般スキルと学部特有な視点を使うスキルが評価対象になります。
★なぜその学部を選択するのかの理由だけではなく、その学部で必要とする基礎的な視点を持っているかどうかが評価対象に加わります。そんな馬鹿な?と思われるでしょうが、2021年度の総合型選抜をはじめ多くの入試でそういう傾向になっていきます。
★それが18歳成年への準備にもなっています。もちろん、意識してそうなっているのではなく、テクノロジーとエンジニアリングの進化がいつのまにかそうしているのかもしれません。
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