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2020年7月26日 (日)

品川翔英の進化(04)古典の授業の再定義 リベラルアーツとしての古典の授業へ

★品川翔英の西山先生のチャンレンジングな古典の授業。チェンジメーカーとしての教師の面目躍如。古典を大学入試で使わないコースと大学入試で概ね使うが看護系のように使わない生徒もいるコースとでは、古典の授業に対するモチベーションが違います。もしも、今までのように文法と古語を覚えて、古文の訳読をするような授業だったとしたら、そのモチベーションはたんに受験にでるかどうかで、自分には関係ないとか合格するためにがんばるしかないとかいうモチベーションの違い。違いというより、モチベーションがあるとかないとかの違いです。

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★ところが、西山先生のマッチングするモチベーションの質は違います。西山先生の授業のプレゼンを聴きながら、そのことに気づいた国語科の先生方は、もう一度、品川翔英のコース別の古典授業のゴール設定を議論しました。古典の教材のシラバスはありますが、その中身は必ずしもコース別ではありませんでした。教材の理解のゴール設定は違ったとしても、モチベーションの多様性は盛り込まれていなかったのだと思います。

★そのため、議論し、マインドマップで整理して行きました。すると、一枚の絵ができあがったのです。美しい絵で、いずれ公開されるでしょう。ともあれ、その絵を使って、具体的に生徒をイメージして、それぞえのモチベーションに合わせて、古典の学び方を学ぶ話をするとしたらという設定でロールプレイスピーチもしました。

★具体的な生徒像を共有できる先生方だからこそできる的確で愛のあるスピーチで感動しました。

★古典を入試で使うか使わないかの前に、古典の学びとは何か、その価値が大学入試で古典を使わなくても、役立つ糸口をたくさん用意しているのが西山先生の授業デザインの特徴でした。

★たとえば、「もののあはれ」や「身に染みる」という言葉の背景にある時代背景をリサーチし、Googlegraphのように知識を整理していったり、自分の考えを記述したり。。。そして、そのたびにペアワーク、つまり対話しながら学びを展開していきます。

★「もののあはれ」の日本文学の中での美的価値にとどまらず、日本文化への影響をどうとらえ返していくかという探究的なアプローチをしたり、「身に染みる」では、歌論の基準を巡る日本人の美学判断に迫る話に展開しています。

★インターネットでリサーチすれば、すでにそのような研究はされていますから、古典を入試で使わない生徒は、そちらのアプローチを示唆すれば、古典文法や古語を覚えるのが得意でなくても大いに興味と関心を持つだろうというのです。

★このアプローチには、多くの現代語訳、英語の得意な生徒は英訳も使えます。漫画やアニメも使えます。AUの宣伝のように古典のパロディー創作にも発展できます。

★古典を使って入試に挑む生徒は、このような探究的アプローチの時間はとれませんが、どんどん古典を読むことの新しい意味を見出せるでしょう。また総合型選抜を活用する生徒には、口頭試問のような場合、多様性の根拠をサポートする知識として活用できるということにも気づいていくでしょう。

★まさに、品川翔英の古典は、入試のための教科からリベラルアーツで学ぶ言語領域に深くつながっていくPBL授業が展開されはじめたのです。西山先生はファーストペンギンよろしく挑戦したのです。その準備にかけた時間は膨大でしょう。それは、多くのアクティビティやスキルを生徒が活用するように仕掛けているので、当然ですが、頭が下がります。

★生徒のアンケートの結果では、特にペアワークが刺激的だっという生徒と教えられることに慣れていて自分で考えていく学びに戸惑いを感じる生徒もいました。マインドセットはこれからもう一度やらなければならにでしょうが、西山先生の生徒の未来を思う気持ちは必ず伝わることでしょう。

★西山先生は、思い通りに生徒の反応をえられたときのワクワク感とそうでないときのガクっとなるショックを素直に先生方と共有していました。

★そのたびに、先生方は、どこを自分も取り込み、どこを共に改善していくか対話は大いに盛り上がりました。8月は、田中幸次先生の授業分析です。またご紹介します。

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