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2020年7月18日 (土)

ポストコロナ時代の教育(05)工学院の田中歩先生 オンラインを通してPBLの再定義を思考/試行する

★昨夜、工学院の教務主任田中歩先生とZoomで対話しました。ドラゴンのように上昇する学内の新しいPBL授業の様子をみて、PBLの再定義が必要だと語るでのす。私も同感です。

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★しかしながら、今回の緊急事態宣言による一斉休暇の間に、対面双方型の会議システム、動画作成などのオンディマンド、プラットフォームによる非同期型対話などを巧みに組み合わせてオンラインの学びの環境を作ってきた先生方でなければわからないコロナ以前とアフターコロナの変化の微差異については、世の中的にはまだまだ気づいていないというもどかしさもあります。

★というのは、オンライン授業といっても、オンディマンドで終わっていたり、課題プリントのWeb配信で終わっていたりというところが多かったですから、時代の要請する未来を実感できる機会があったにもかかわらず、できなかったケースもいっぱいあったでしょう。

★特に、その微差異は、実際に授業をやってみなければ気づかないようなので、外から様子を眺めているだけとか、テクニカルなサポートだけしていたのではスルーしてしまうのです。

★この十全なオンライン学習の臨床的な様々な気づきをどうやって、社会にとって重要な概念に一般化できるかは、田中歩先生や仲間の先生方の力にかかっていると言っても過言ではありません。

★とにかく、田中歩先生は、今まで意識を可視化する段階でよかったものが、どんどん操作という新しい知がうまれているということに驚いているというのです。

★今までレクチャーでただ受け身になっている授業は見直そうという動きだったのですが、その発想をさらに見直そうというのがオンライン効果だというのです。

★オンラインという操作は、教師と生徒が同時に互いに行わねばならず、仮にレクチャーであっても脳内変化としてはインタラクティブになっているのではないかという仮説を立てていました。

★いろいろなアプリがあるので、ノートテーキングも、その行為は同じでも、操作の性格は、生徒によって違ってくるわけです。操作スキルと操作知が統合されて新たな知が生まれているので、その知を見逃さないフレームやフォームが新たに要請される時代なのではないかと。

★どうやら、オンラインシステムは、学びのツールとか補完道具とかいったモノではなく、思考とツールが合体してできる第三の知が生まれているコトを示唆しているようです。それを言い当てる適切な「ことば」を必要としているのが今です。これは全く新しい経験です。

★そしてその「ことば」が生まれると、その「ことば」の学びの世界が広がりますから、その世界を表現する道具も新しく生まれてきます。まさに学びのイノベーションが生まれるわけです。

★とにかく、イノベーションというものは、今までカリスマや達人と言われてい熟達者の知や技能をデフォルトモードにしてしまいます。脱技能とか呼ばれてきたものになっていきます。

★ここでは、生徒が教師の技能をデフォルトモードに転換します。そして、教師もまた別のモノをデフォルトモードに変換してしまいます。

★いったいこの生徒と教師のデフォルトモードにするものは何なのでしょうか?

★それこそ未来を拓くビッグバンになる可能性があります。今後田中歩先生は、そこを巡る考察を、工学院の先生方のPBL授業をモニタリングしていきながら考察し、創造していくそうです。工学院の今後の変貌に目が離せません。

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