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2020年7月24日 (金)

工学院インパクト(03)集団と個人の複雑適応系組織 生徒1人ひとりの価値が輝く

★まだ、生徒の皆さんとのインタビューができていないのですが、比較的多くの生徒さんと接して、それぞれ個性的で自分の才能の価値を見出し、それを高める活動をしています。しかも、とても大事なことは、だれも自分ひとりの力で自分の価値が生まれていると思っていないということです。つまり、個人の才能と集団との相互依存の複雑適応系の組織になっています。これは教師の集団も同じです。

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(左から、国語科の臼井先生、保健体育科の雨宮先生)

★なぜこうなっているのか、実はわからないのです。ということは、これが工学院の文化なのでしょう。ともあれ、教師も一人一人の才能が豊かです。臼井先生は、今回のGPでは、タイチームを担当しています。もちろん、タイはいけないので、変更しなければならないのですが、生徒のどんなやりとりに注目しているかというと、やはり何といっても言語ゲームです。

★国語の教師であるというだけではなく、実は言語理論の授業を担当したり、探究論文のプロジェクトメンバーだったりということもあるでしょう。言葉には意味があるわけだけれど、それは実用的な生活の中で生まれてくるもので、文化が違えばまたちがうわけです。

★その違いを生徒が意識しながら、タイという文化に接近していっくわけです。英語という言葉を使いながら、タイと日本の文化の違いで、意味のニュアンスが違っていたり、言葉の示す感情や言葉に反応する行動が違うわけです。

★私たちはゲームを楽しむとき、トリセツを読んで行うことはあまりしません。基本的なことは読むでしょうが、相手がこう来たらこう対応する、こちらがこう対応したら相手がこう反応するだろうというところまでは、書いていません。そこは、経験してみるしかないし、経験の中ではじめて参考になる文献を知ることになります。そこからようやく探究的な道が開けます。

★言葉の背景の文化や制度の情報の非対称性を、互いにコミュニケーションをとりながら理解していくのです。その非対称性をもしも埋められたら、すごいことです。誰も埋めてこなかったから葛藤や分断が生まれるということが、今パンデミックで赤裸々に問題になっているところです。

★そして、雨宮先生は、すでにご紹介したように、世界観からアプローチしていきます。個人個人の世界観の変容が、世界の変容にかかわっていくという壮大なビジョンです。しかし、自分が変わることが、世界が変わることにうながると生徒が気づいたらどうでしょう。

★想像しただけでわくわくしてきませんか。

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★雨宮先生と臼井先生のインタビューのあと、アメリカ班が緊急ミーティングを行うというので、覗いてみました。化学の新井先生が担当のようでした。なんでも、アメリカにはいかないので、国内のどこにするのか、事前学習のコンセプトは変えずに再編集しようという目標変更の共有をしていたようです。

★新井先生は、職員会議があるからと、こういってさっさと教室を後にしました。そのメッセージとは、「自由が大切だよ。自由に考えなさい。楽しくなくてはね。ただし、理屈は必要だし、理論は大事だよ。それがあれば、自由でよいから。あとは清水くんたちよろしくね」ということでした。

★自由と倫理という世界観の問題ではなく、自由と論理のデザインに着目するというのが、新井先生らしいですね。

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★その日にお会いした3人の先生だけでもこんなに価値意識や観点が違います。それでいて、集団として相乗効果を生み出してダイナミックに動いています。

★実に不思議だと思い巡らしていたら、教務主任の田中歩先生にお会いしました。どうですかねと聞くと、「PBLという泉からいろいろな支流ができて、それがやがて幾つかの大河になっていくって感じですかね。生成の持続可能性がキーワードかも」といつもながら飄々とシンプルに深いフレーズを残して去っていきました。

★GPの企画ミーティングなどの活動は、継続的にウォッチしていきます。また報告します。

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