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2020年7月16日 (木)

ノートルダム女学院のハイブリッドPBL授業(03)リアル授業の中を貫くオンライン授業

★ノートルダム女学院中高(以降「ND]と表記)の櫻井先生の英語の授業をリサーチ。そしてその後Zoomで対話しながら、リフレクションしました。学校再開になったのですが、警報が続き、その間のリアルな授業でした。警報がでて学校が休校になったときも櫻井先生はオンライン授業を行っています。

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★ですから、オンライン授業→リアル授業→オンライン授業という流れの中で、リアル授業をリサーチしました。櫻井先生も生徒も、場所が違うだけで、コミュニケーションの質に変わりないようでした。

★この事態をどうとらえるか、今回のパンデミックによって中間試験ができていないため、生徒にとっては、範囲が膨大な期末試験になります。そのため、櫻井先生は、どんな機会も逃さず生徒と学んでいます。そのため、自分が行っていることを振り返る時間はなかったですねと。

★「自転車操業」とは、単にバタバタして忙しいということをいうのではありません。走るのをやめると、自転車は倒れてしまうということですから、櫻井先生は、パンデミックがこようが、豪雨が襲ってこようが、どうやって生徒と学び続けるのか、学ぶことはサバイブすることなのだという信念を貫き通しています。その熱い気持ちが伝わってきて、感動しました。

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★ポストコロナの時代のPBLの再定義をテーマにリフレクションしていきました。そして、PBLのステージを、英語ですから、CEFR基準に合わせて作っていきました。

★櫻井先生は、自分のPBLの授業の質が高いということを語るのではなく、生徒の英語力や学びの状況を踏まえ、ハードルを設定し、それを乗り越えることができるように調整しています。

★したがって、A2のレベルの生徒には、B1に飛べるようなちょうどよいハードルを設定します。そのハードルとは、もちろん、授業という環境がそのままハードルです。その環境は生徒が飛び越えていく問いの連打が三方向から飛んできます。インプットの方向から、思考の方向から、アウトプットの方向から。

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★生徒は、言葉と自分や他者の存在の在り方を英語という言語で学んでいきます。存在の在り方は経験という世界で起こることですから、経験に包まれるようなマテリアルを櫻井先生は用意します。

★そして、そのマテレリアルを分析できるフォームを学び、統合できるスキルを活用していきます。このマテリアル―フォーム―スキルの関係がうまく循環することで、生徒は達成感とモティベーションをふくらまします。

★ですから、櫻井先生は、最初の経験をインプットして、その経験から生徒が自ら学んでいく習慣を大切にしています。その習慣ができれば、マテリアルが複雑になっても応用することができます。

★単純なマテリアルから複雑なマテリアルに直面した時、生徒は試行錯誤します。ここが授業の醍醐味かもしれません。そのときふと気づきました。その試行錯誤をする生徒の学びの環境が変化しています。1人1台タブレットを操作しながら試行錯誤しているのです。

★以前だったら、黒板に書かれていることを写すことに終始していたでしょうが、今は電子黒板とタブレットは同期しています。教師と生徒がいっしょにマテリアルを分析しまとめていきます。複雑なマテリアルの分析を同時に互いが操作してできるということこそ、本当の「同期」なのでしょう。

★実は、同じ空間にいながら、教師の話を聞いて、生徒が聞いているのは、同時間であっても、シンクロはしていなかったのです。そういう意味では、教師と生徒が操作のシンクロをするには、オンラインに自分のデバイスが接続していることが必要だったのです。

★ですから、生徒は場所が自宅であろうが学校であろうが、オンラインで教師と結びついていると学びを同期して行うことができるのです。

★歴史を振りかえると、ダ・ビンチが師の技術を身につける時、盗み取るわけですが、同じ工房で師の模倣をつかず離れずしていくわけです。

★音楽もそうですよね。師と弟子はいっしょに演奏しながら、シンクロするまで行い、どこかのタイミングで弟子独自の技術が生まれるわけです。

★近代教育は、このような徒弟制度から解放されて、多くの人数の生徒と教師がシンクロする方法ではなく、情報を伝達して技術を伝えるという効率のいい方法だったのですが、実は教育が、自分や他者の存在の在り方への陶冶であったとしたら、そのやり方は大事なものを見落としてきた可能性があります。

★それが、今回のオンラインで、多くの人数でも、個人個人がシンクロできる学びを新たに発見したのかもしれません。ある意味新徒弟制度の誕生かもしれません。

★櫻井先生と対話しながら、今までと違う学びの意味を見出していくことができました。

★生徒のアウトプットの意味は、そのシンクロから解放される独自のアイデアを師と共有する瞬間です。もっともっとと言われ続け、最後に免許皆伝となるのでしょう。

★ですから、櫻井先生のインプット→シンキング→アウトプットというサーキュレーションは、生徒の成長に合わせてマルチスパライルへとステージアップしていきます。学びの竜巻がうまれるわけです。大事なことは途中までは、教師と生徒はシンクロしている必要があります。そうでなければ、その竜巻には教師だけが乗って行ってしまいます。

★PBLとはこういうものだではなく、生徒の状況にマッチングしながらPBL授業のステージも上げていくという、全体のデザインが大切であり、情報収集・格納→思考→表現のうち、特に思考の部分は教師と生徒が分析統合のシンクロをしているのだと。そしてそれを可能にするのはオンラインにつながっているデバイス操作という学びの媒介項が必要だったということなのです。

★ハイブリッドPBLとは、このような深い意味があったのだということに気づきました。櫻井先生ありがとうざごいました。

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