品川翔英の進化(01)授業を実施するたびに学校が変わる①
★ここのところずっとオンラインワークショップでしたが、昨日(11日)、久しぶりにリアル品川翔英を訪れました。国語科の先生方とPBL授業のアップデートのためのワークショップを行うためです。オンラインでのワークショップも新鮮でしたが、今回先生方は、1人ひとりタブレットやラップトップを持ち込み、ハイブリッド型のワークショップに自然になりました。
★おもてなしの精神があふれている学校ですが、今回もまた新鮮なケアの行き届いたおもてなしに感動しました。ワークショップ15分前に、アドミッションオフィサー竹内さんがやってきて、本間さん、ゲストとしての環境にしますから、よろしいですかと。あっという間に、先生方と同じ環境でパソコンをつなげられるようになりました。
★同校はオンライン授業を行ってきたために、ワークショップも同じ環境で行うはずだと想定してすぐに動いてくれたのでしょうが、スムーズな環境設定のスキルを、コロナ以前は見ることがありませんでした。スキルはあったのですが、使うという前提がなかったわけです。それがポストコロナにあって、がらりとアクションが変わっているわけです。これだけでも、おお、品川翔英は進化していると実感を得ることができました。
★今回は今井先生のPBL授業のアナリーゼとリフレクションと気づきの共有です。今井先生のPBL授業のアップデートどころではない進化と生徒の成長力の見える化に驚嘆しましたが、もう一つ驚いたことがありました。
★それは今回から非常勤の先生方も参加されていたということです。生徒にとって、専任、常勤、非常勤の区別はありません。先生は先生です。ですから、ビジョン共有は当たり前ですが、授業のクオリティやデザインまで共有できるとしたら、その学校は本気だということになります。つまり、品川翔英は本気なのです。
★エっどういうこと?と思われるかもしれません。しかし、一般に非常勤の先生にまで、授業の方法論やデザインの仕方、ルーブリックなどの共有を目的としたワークショップは行いません。契約上の問題もありますが、そもそも今までのように一方通行型講義であれば、教員免許を持っていれば、あとは書類選考で十分だったのです。
★ところが、PBL授業となると、専任の先生は行っているけれど、非常勤の先生はやっていないとなりがちです。こうなってくると、困るので、ワークショップを行うとよいというわけですが、そこまで契約していないとか、だいたいできないとかいろいろな問題が起こります。よほど人間関係をきちんとしていないと、なかなか進まないというのが、日本のすべての学校でアルアルの話なのです。
★品川翔英は、そこを乗り越えているわけです。驚きです。しかも、このワークショップは、品川翔英にとってPBLとは何か、なぜ必要かなどを行い、ルーブリックの開発ワークショップなども経て、ケーススタディーに進んでいます。ケーススタディーも3回目を迎えています。
★そこに参加するのですから、さすがに非常勤の先生方も不安なわけです。それでも参加は自由というわけですから、参加する意思を持っているために、積極的に参加されていました。そして、専任の先生方のケアシップ、リーダーシップ、フォロワーシップ、コミュニティシップのさりげない発動が、共鳴共感の響きを生み出し、不安を払しょくする雰囲気が巻き起こっていました。
★実はこの雰囲気は、まさに今井先生のPBL授業において生徒と共有されている雰囲気でもあります。講師の方々もそこに共感していたのです。今井先生のPBL授業のケーススタディのワークショップと自分たちが創ってく授業のイメージがシンクロしていったのだと思います。
★先生方は「学びの共同体」を大切にしています。まさにその想いの面目躍如のワークショップになったのです。(つづく)
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