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2020年7月25日 (土)

ポストコロナ時代の教育(15)新渡戸文化中学校のクロスカリキュラム授業「Happiness Bridge」に期待!

★7月23日(木)、新渡戸文化学園は、中学校クロスカリキュラム授業「Happiness Bridge(以降「HB」と表記)をオンラインで実施しました。生徒のみさんが1学期間探究してきた学習の成果を、ブレークアウトルーム(分割した小部屋)で少人数に分かれて発表。

【図1】

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★ブレークアウトルームでは、生徒2名がそれぞれ自分の探究成果を、外部の人2~3名にむけて発表し、対話も含めて25分間くらいの時間で行うのですが、全部で3クールありました。

★この外部の人材ネットワークを結び付けるHBは、もう何度も行われていて、その中間発表という位置づけだと思います。ですから生徒の皆さんの発表はかなり深まっていました。

★生徒は、毎回未知との遭遇です。ブレークアウトルームをたくさん作るわけですから、参加する外部の人も毎回100人はいるのしょう。今回も120名を超えているということでした。いろいろな仕事に就いている人と出遭い、自分の想いや探究活動が共感が得られるかどうか、生徒の皆さんは緊張をしていますが、対話が始まるとそれはすぐに解けて、自分の世界を語ってくれます。

★どの探究の成果も、目から鱗というものばかりでした。ふだん私たちはいかにものごとを表面的にしか見ていないか反省させられました。

★いやあ感動した、すばらしいと第一声。しかし、生徒の皆さんはもっと具体的にフィードバックをというマインドセットがされていますから、襟をただして語らなければなりません。参加された他の外部の方が、プレゼンの形式や内容について具体的にポジティブに評価され、アドバイスをしています。

★私もなんとか頑張りますが、なかなか難しいと感じました。生徒のみなさんが、それぞれ深まりの行方が極めて個性的だったからです。ペアの組み合わせが中1と中3だったので、二人の別々の探究がどこで結びつくのかとか、使う側ではなく創る側になってみたとしたらとか、内省のポイントを聞いてみたりとか、どんな起業家や団体とつながるアイデアがあるかとか聞いてみました。

★瞬発力のある切り返しや対応が鋭く、驚かされました。また、ラジオ番組のパーソナリティさながらの声質の生徒やテレビ番組のキャスターさながらの表情の豊かな生徒もいてこんなに才能が豊かに開花するものなのだと感じ入りました。

★また、対話をしているうちに、本当はもう一つの探究の選択肢があったのだという話になる生徒もいました。この選択肢がたくさんあってどれにしようか迷ったがこういう理由で判断したという話は、その生徒の内面の奥行に触れ戸惑いました。その探究の内容も、まったく知らないことだったので、生徒のみなさんの世界の広さとその広さがグローバルにすでにつながっているという話を聞いて、いかにふだん生徒が大人に気を遣って話をしているのか衝撃でした。

★どうせ話してもわからないから、自分の世界にしまっておこうと。しかし、このHBではそれは開かれています。中3と中1の生徒が、そんな深いところで協同作業ができればすばらしいねと。すると中3の生徒も自分の知らない世界をありがとう。どこで結びつくか考えてみたいねと。先輩・・・という中1のその響きがなんともよかったわけです。

★さて、このHBでは、何が起こっているのだろう。思い巡らしているうちに、今朝方ようやく夢の中で【図1】が思い浮かびました。たしかに、HBで生徒さんは教科書の枠をはるかに超えていました。単純に文献情報をカット&ペーストしたものもありませんでした。

★書籍、インターネットの動画などの情報、先生方や外部の方と話し合った体験情報など多様な情報を収集し、それを整理する過程で、あるいは整理をする前の驚きに導かれて、さらに調べ、思考し、内省(リフレクション)し、何度もチームで対話し、生まれてきた世界でした。

★このHBにいたるまでの探究、議論、編集、リファインを繰り返すたびに、生徒の世界は拡大していきます。深くなっていきます。私たちは予測不能な時代そのものをいまここで体験してしまっているわけですが、教科書で学んで与えらえた世界を有しているだけでは、幸せになれないことは了解済みです。

★しかし、ではどうやったら新しい世界を自ら創り出し、それを共感してまた新しい世界を協働して創っていけるのか?その実装方法をまだだれも確立していません。そこに挑戦しているのが新渡戸文化学園なのだということに改めて気づきました。幸せの虹は、遠きにありて見えるモノです。虹の中にいると見えないようです。どうやら未来に投影される虹の根源はHB自体にあるということでしょう。

★まさに幸せの青い鳥だったのです。。。生徒のみなさん、そして先生方、参加されたみなさん、幸せな瞬間をありがとうございました。

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