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2020年7月 9日 (木)

聖学院インパクト(02)GICのコンセプトも唯一無二

聖学院の新クラスGIC(Global Innovative Class)のコンセプト(ビジョンやゴールイメージ等々全部ふくんだ目論見)がまたすばらしい。コンセプトもまた唯一無二です。

【図1】

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★そのコンセプトとは、<「ものづくり」「ことづくり」を通して世界に貢献できる人を育てるクラス>です。このコンセプトをどう理解するかで、GICの重要性を感じる度合いも違います。とても深い知的な背景があるので、あえてあまり説明していませんね。その凄まじい価値は、入学してからわかることだし、セミナーに参加すれば体感できるかもしれません。

★このコンセプトの質感に共感できるかどうかでよいというのが聖学院の先生方でしょう。あんまり理屈ぽいことを言うと、外部だけではな学内の理事会にも引かれてしまいますから。

★しかし、本質的なものや本来的なもの、本当に大切なものは、なかなか目には見えないもので、それを可視化しようとしたりロゴス化しようとすると、難しくなったり、しきれなかったりなので、ほんとど多くの人が見逃がします。興味がないといっても言い過ぎではないでしょう。

★GICを目指す生徒のみなさんは、そこを直観的に感じるわけですよね。ほとんどの人が見逃すぐらい重要なアイデアが、このGICのコンセプトとそれに基づいた教育実践にあるわけです。

★エッ!?教育実践は新クラスだからまだでしょうと思うかもしれません。他の学校だったらそうかもしれません。しかし、聖学院は、C1英語×PBL×ICTは、学びの基礎ツールとして、すでに学内にあるものなんです。

★それを活用して、今まで行ってきた糸魚川農村プログラムや文化祭のプロジェクト、タイ研修、MoGなどの研修とGIC創設のための新しいメンバーが実践してきたイノベーティブな教育の粋を集めた実践になります。

★ゼロから創るのではなくて、すでに成果を出している実践を統合して化学反応を生み出して行っていきますから、先生方は見通しとできるという実感がすでにあります。

【図2】

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(要素還元主義は、要素の足し算です。構成主義は要素の掛け算というイメージです。混合と化合の違いといってもいいかもしれません。)

★さて、コンセプトに戻りましょう。実は、「ものづくり」「ことづくり」というのは膨大な知的財産が背景にはあります。20世紀末は、大学入試問題でも、「ものからことへ」というベクトルだったのです。当時の科学や現代思想は、20世紀社会のパラダイム(価値観や社会の枠組み、認識の枠組み)をシフトする方法論を提唱して、盛り上がっていました。そのマテリアル(素材)がそのまま大学入試問題に活用されていたのです。

★これは、企業も同じでした。バブルがはじけて、中国やインド、韓国、東南アジアの国々の経済的な台頭に、日本の経済はダメージを受けました。特に日本のものづくり産業は相当ダメージを受けました。その中で、転身を図って成功したのはソニーかもしれません。

★1980年代の日本のバブル経済が膨らんでいたころは、ソニーはプレイステーションとウォークマンで世界を席巻していました。日本のものづくり産業の面目躍如の時代です。

★ものづくりの基本は、部品を組みてる作業です。科学の世界では、これを要素還元主義と言います。要素や部品を組みてて予定したものができなければどうしようもありません。欠陥品となるでしょう。

★教育も、このものづくり産業に就職できるように、部品としての知識を覚えて、その知識を予定された解答になるように組み合わせるトレーニングを目的としました。社会学的には、労働再生産の教育というわけです。そんなことを言うと、学校の先生方は傷ついてしまうので、あまり言えないのですが、GICを目指す生徒のみなさんは、真実を知っておいた方がよいでしょう。クリティカルシンキングはそれゆえ必要ですよ。

★さて、バブルははじけました。するとあのソニーも崩れはじめたのです。すでにIT革命がはじまり、ネットスケープやAOL、ノキアなど新しいコンピュータものづくり産業に圧倒され始めます。すると、そこはソニーです。「ものからことへ」と言い出したのです。

★そして、このコンセプト通り、IT革命のバブルも崩壊しました。ものづくりという点で変わりありませんでしたから。そして、シリコンバレーが台頭します。今のGAFAの基盤が創られます。WebとSNSとアプリの台頭です。

★このネットワークというものづくりではなく、ことづくりのパラダイムは、どんどん進みました。ソニーも転身を続け、今やソニーと言えば金融業が主流でしょう。金融は今やネットなくして考えられません。

★このものからことへパラダイムシフトをしたとき、教育も労働再生教育からクリエイティブクラスを生み出す教育へと転身しました。ただし、日本はしていません。今もしていないでしょう。大学入試改革がとん挫しているのをみれば明らかです。

★ともあれ、当時のブレアークリントンは、教育!教育!そして教育!とスローガンを打ち出し、ハードパワーからソフトパワーを生み出す教育にパラダイムシフトしたのです。

★その中でもインドの人材のコンピュータサイエンスの活躍が凄まじく、今もGAFAのCEOの中にはインド出身の人材がいるし、ドバイの人口の70%はインド人であるように、最先端分野つまり、ことづくりの領域はインドの方々の活躍が今もすさまじいのですが、彼らが当時日本にやってきたときに、ソフトは私たちが創るからハードは日本の方々にお任せしますと言っていたものです。おそらくそれは、彼らにとっては今も変わらない意識でしょう。

★今回のパンデミックで、日本の学校は、聖学院のようにオンライン授業にすみやかに動けなかった背景には、こういう日本のものづくりからことづくりへの転身が巧くいっていないということがあります。まして教育の領域は、まだまだ20世紀の労働再生産教育です。もう再生産のつながりなくなろうとしているのにです。再生産の労働力の行き場所がないのですよ。

★さて、聖学院のGICのコンセプトです。今までの話をまとめると【図1】のようになります。唯一無二だというのはもうわかりましたね。聖学院はハードパワーもソフトパワーも両方やってしまおうということなのです。これは国内にもないけれど、海外にはもっとないですね。

★日本のハードパワーは、天才的で、創造的なのは、世界が認めます。その根底には、わび・さび・雅などの価値観があります。この日本的な美学は、世界も認めています。一方で、創造性もすばらしい。ただし、その創造性はハードパワーと融合しているのが日本の特徴です。

★それがなぜかは、探究の価値がある話ですから、いずれということで、今回は、ともあれ、ハードパワーもソフトパワーも両方やるということと、それだけではなく、アントレ(起業家精神)も世界を創るスキルや哲学まで学ぶ広さがGICにはあるのだという【図1】に思いを馳せたもらうところで終わりにしましょう。

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