ポスト・コロナショック時代の私立学校(123)和洋九段女子 良質のハイブリッドPBL授業が始まる②
★和洋九段女子のいまここでの動きと外部環境の変化や動向などを重ね合わせ、やはり「人間性」や「才能」が大切であることが改めて確認されました。そして、ソサイエティ5.0のさらに先で活躍する才能者が育つ環境は、和洋九段女子の行っているPBL授業がポイントであるという確信も共有しました。
★第2回目のお茶をたてる際、水野先生が、新たな抹茶としてご自身のオンラインPBL授業のプレゼンをしました。お茶をたててみんなで楽しむために、私もPBL授業のデザイン分析をする道具立てを提供しました。
★水野先生の世界史のオンライン授業は、700万年前の人類誕生からソサイエティ5.0に到るまでの壮大な人類文明史を思考する授業でした。700万年まえであろうと、100年前であろうと、生徒にとってはリアルな体験ができないのです。そして、未来もまた生徒はまだ体験できないのです。
★人間の知恵とは、いまここでのリアルな体験から、過去も未来も、粒子の世界も宇宙も推理していく想像力/創造力です。それをPBL授業で行うわけです。まさに世界を創る学びです。
★水野先生は、思考コードやメタルーブリックでC3の領域はワクワクするけれど、根拠なき創造性は、論理的構築の安心安全の場を崩すから、徹底的に自分の考えが基づく根拠を示す責任を持つことをディスプリンとしています。
★生徒が自分で考え判断し意思決定していくには、エゴではなく責任を引き受けることでもあります。学びとは最終的には社会課題を解決する方法を提案したり活動をしますから、責任を自ら引き受けて人々と歩むコンパッションが大切なのです。
★水野先生のPBLは、かくしてPassion based Learningでもあります。
★ さて、プレゼンを聞いた後、参加した先生方がフィードバックしていきます。大胆かつ緻密とか、生徒が人類とは何かを多角的にアプローチできる仕掛けがあり、さらにこれからの人間とは何か、さらには自分とは何かという本質的なテーマに結びつく壮大な授業ですとか、ブレイクアウトルーム、ジャムボードなどオンラインでも対話や議論ができる状況をつくっているのはすごいとか、ワクワクするような授業だとか、絶賛シャワーが飛び交いました。
★水野先生のPBL授業への共感的な雰囲気が茶室を満たしました。いい感じでした。
★そのあと、先生方のフィードバックも含めて、水野先生のPBL授業を多角的に分析していきました。その道具立ては、可視化する道具をいくつか使いました。
1)「知識の発見」「論理的構築」「批判的思考」「創造的思考」の視座を座標で明らかにする。
2)20のパターンランゲージで、学びの多様な構えが座標のどの位置にあるのか確認していく。
3)20のアクティビティタイプが、座標のどこで活用されているのか分析していく。
4)知識のデフォルトネットワークのつなぎ方やどの思考スキルを生徒は活用するように授業がデザインされているか分析する。
5)1)~4)までのシートやカード、アイコンで可視化した結果、生徒の自己変容にどのような効果があったのかなど対話。
★水野先生のPBL授業は達人の域に達しているので、分析するまでもないのですが、可視化して対話することで、先生自身が暗黙知で動いていたものに改めて気づいくということがあったようです。また、自分の目論見をメンバーにいいねフィードバックをもらうことによって、やってよかったという確信ももてたということです。
★初心者も達人も、ポイントやレベルは違いますが、これでよいと止まることはないという点では同じです。水野先生は、自己変容し続けられれる授業をデザインをすることが、生徒の自己変容と相乗効果をもたらすと考えています。
★和洋九段女子のPBLの達人の先生方との対話は、さらに向上すべきポイントは何かを共有できる貴重な時間となりました。このWorld Makers 茶室は今後も開催していきます。(了)
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