ポスト・コロナショック時代の私立学校(87)聖パウロのオンライン <エモーショナル×フィジカル×ソーシアル>を大切にする②。
★聖パウロ学園は高尾山の広大な裾野に位置しています。自然の緑と青空一杯の中にあります。普段学園に通っていると、感じる時間が長いので、物理的時間はあっという間に過ぎてしまいます。自然と共同体と人間の心が循環していると、内的時間が豊かになりますから、同じ物理的時間も短く感じてしまいます。自己肯定感や達成感、共感といった感覚が形成されるように、聖パウロ学園の先生方はカリキュラムとPBLとキャンパス全体を大胆かつ緻密にデザインしています。
★今回の新型コロナウィルスの影響で2カ月にわたる全国一斉休校という事態が起きていますが、いちはやくオンライン学習環境をデザインしました。そして、この新たな試みによって、自分たちがいかに心と身体と絆の循環を大事にしてきたか改めて確認ができました。
★当然、日々パウロの森を共有できるわけではないですし、リアルな人間関係を当たり前のように感じることもできません。裾野に立っている校舎はの周りの坂や階段は、いつの間にか身体能力のバランスをつくっているのですが、それもかないません。
★そこで、ワクワクするようなダンスやストレッチを全クラスつないでオンライン授業を実施したりしているのです。
★そして、なんといっても心のケアは1人ひとりとの対話です。朝夕のオンラインHRを大切にし、画面の表情やチャットの言葉などで悩みを察知し、オンライン面談をしています。
★スモールサイズの学園なので、時代の変化や不測の事態への対応力は抜群です。同学園の主幹小島綾子先生は、こう語ります。「men for othersを共有している先生方の俊敏力や組織力はなかなかのものです。スモールサイズの学園の良さは語り尽くせないほどあると自負していますが、資金面では生徒の多い学校のようにはいきません。今回の事態も、wifi環境や通信の環境など他校に比べて十分だとはいえません。最初一瞬不安がよぎりました。オンライン学習環境をつくれるのかと。しかし、杞憂でした。うちの先生方は、十全な道具がなければ、あるものでなんとかするという野生の思考力や戦略的思考力を大いに発揮しています」と。
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