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2020年5月30日 (土)

ポスト・コロナショック時代の私立学校(112)工学院 アップデートするオンライン説明会 ライブ感もいい(了)

★チャットに書き込まれている質問に広報部長水川先生が回答する段になって、オンライン授業はどんな様子ですかという質問には、軽やかに中学校の教頭の奥津先生にパスを投げて見せました。このオンラインの自由度の高さを実はアピールしました。このライブ感最高です。

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★この外出自粛で、アスリートやタレントが「ストレッチつなぎ」や「うたつなぎ」、「ダンスつなぎ」などSNS上で話題になっていますから、この水川先生がパスを投げて、奥津先生が受けとめてトライするのはなかなか微笑ましいさりげない仕掛けです。

★奥津先生は、さくさくパワーポイントで工学院のオンラインPBL授業の様子を説明していきましたが、そのPPTの創りこみが工学院の学習する組織の稼働力を巧みにアピールしていたのです。もちろん、学習する組織という言葉こそ言いませんが、教師も生徒も「ビジョン共有」ができていること、「チームワーク」で動いていること、「システム思考」が広がっていること、「個々人のメンタルモデルの相互承認」をしていること、「自己マスタリー」というそれぞれが自律して学びを深めていることが伝わるようにストーリーを展開していきました。

★「ビジョン共有」は、PBLによって、自律してこの力を高めながら社会課題を解決する学びを行い、社会貢献するという校訓(挑戦・創造・貢献)はがっちり共有していることは、平方校長、鐘ヶ江先生と同じ根っこを語っているのでよくよく伝わったことと思います。

★「チームワーク」は、水川先生のパフォーマンスでもすぐに了解できますが、とにかくPBLはチームワークが前提になっていて、3人の演者が活用した写真はみなチームワークのシーンが目白押しでしたし、奥津先生がZoomのブレイクアウトルームを活用する話は、チームワークが前提ですね。それに、奥津先生のPPTは、同校のサイトから拾って編集したものです。

★同校のサイトには、オンライン授業や海外研修をはじめ、いろいろな教育活動がブログに書き込まれていますが、オール工学院で、みんなで書き込んでいます。したがって、更新頻度が高いのですが、その紹介もしつつ語っていきます。

★先生方が書き込んだものは、見てもらうことが実はエンパワメント評価にもなって、勇気づけられます。ここでもチームワークの相乗効果が仕掛けられていますね。

★「システム思考」は、そもそも鐘ヶ江先生の関数方程式思考こそがシステム思考です。そして、実は奥津教頭も数学科教諭で、現代数学のあらゆる事象は最終的には数学的に表現できるのだという最先端の思考の持ち主です。

★だいたいオンライン授業のシステムそのものがシステム思考でできています。奥津先生が、オンラインHRで、生徒が日誌をポートフォリオ的にデジタル化する方法を提案して、それを使っているという話をしたときに、生徒もシステム思考を活用しているというのが了解できました。

★「個々のメンタルモデル」は、なかなか共有しにくい。センシティブな側面ですね。でもオープンになって互いに言動の特徴を了解できると、チームワークの相乗効果がものすごいことになります。それができるのは、オンラインHRやオンライン面談などが小まめに行われているからだし、そうならないと学校全体のGrowth Mindsetはなかなか難しいのですが、そこを工学院は突破しています。共感的コミュニケーションの土壌がものをいうということもありますね。

★「自己マスタリー」は、どんどん自律分散協働系で教師も生徒も学んでいくわけですが、グローバルプロジェクトについてそれぞれが探究し、互いの成果を持ち寄って一つにしていくプロジェックトの動きを奥津先生が語ったときにピンときました。

★工学院の先生方はオンライン授業で多様なデバイスやアプリ、動画を使いこなします。しかし、オンライン学校説明会では話術やパフォーマンスのナチュラルなライブ感を大切にしています。

★実は、オンライン授業の行き着く頂点は、ナチュラルな対話なのです。まるで、ZENの行き着く十牛図の最終ステージのようですね。ここにいたってマインドフルネスは広がります。シリコンバレーのGAFAが欲しくてたまらないものです。工学院は、HTHのようにエンジニアリングの次に到達していると感じました。

★そうそう、6月から分散登校で、ハイブリッド時空の授業が開始します。また新たなフェーズが開きます。次回のオンライン説明会では、ここの最新情報にも触れられるでしょう。日々アップデートする工学院のオンライン学校説明会なのです。

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