ポスト・コロナショック時代がもたらすコト(22)学校の組織が変容する可能性あり
★昨日、1800人くらいウェビナーが参加しているZoomセミナーに参加しました。3部まであって、参加したのは第1部だけでしたが、公立学校の組織の雰囲気が変わるかもしれないと感じました。
★登壇者は小学校の教師とNPO運営者でしたが、公立学校のピラミッド型組織をきちんと意識し、提案をしていくことによって、オンライン授業を勝ち取って行ったケースを話されていました。3人の登壇者の語っていたピラミッドの層をみな総合していみると上記のような図になるでしょうか。
★私立学校の組織の図は、オンライン授業進化ステージ4.0以上を実施ているケースのイメージです。私立学校も、ピラミッド型組織だし、現場の先生方の提案型というケースもあります。
★しかし、ピラミッドといっても、理事長や校長次第というところが多く、経営と教育の両方を戦略的に運営しようという場合、現場は学習する組織になるプロジェクト型の環境をマインドセットします。
★こうして、オンライン授業を行っている公立学校と私立学校を比べると、自由度の違いはありますが、チャンレジできる可能性が両方ともにあるということが確認できました。
★提案している教師のプロフィールをみると、多様な外部ネットワークを国内外に有しているという意味では、そうでない場合とでは、やはり自由度に差があるかなとは思います。
★私立学校で学習する組織を創っているところは、一握りの教師だけではなく、多くの教師が外部研修に参加したり、外部ネットワークを有しています。
★大きな違いは、公立はあくまで文科省の意向通りです。私立学校は文科省をリスペクトはしますが、グローバル市民として学校全体で活動できます。ここに根本的な自由度の違いがあるかもしれません。
★しかし、問題は、塾と保護者と生徒と教務の位置づけは、学校によって違うということです。生徒中心主義か教師中心主義化、保護者ニーズを重視するかどうかなどで、学校の組織運営は変わります。
★それから教務の位置づけが意外と重要です。教務の力を学校全体として重視すると、同じオンラインPBL授業進化ステージ4.0以上でも、問いの作り方や思考コード(ルーブリック)、思考スキルなどの研究が深まります。この教務の質の部分はなかなか見えないし、複雑でわかりやすいものではありませんから、管理職や理事会などは、理解ができない場合があります。
★また、かつては、保護者もそこは重視しませんから、学校の特色を語る場合に、そこはスルーしがちでした。
★しかしながら、今回のパンデミックで、保護者は教育の重要性に改めて気づきました。なかでもドリル型課題だけの学びに疑問をもち、それ以上の深い問いを対話形式で学ぶ機会が重要なのだという意識が高くなったと思います。それは、各種メディアのリサーチでも明らかになってきています。
★そういう意味では、学校の組織の中での教務の位置づけは重視されていくでしょう。
★9月入学のような大きな制度設計の変更はそう簡単ではありませんが、個々の学校組織の変容は、制度変更をしなくても、公立も私立も、制度上自由度の差はあるけれども、動き出す可能性は大いにあると感じるこの頃です。とはいえ、この動きがafterコロナで収ますのか、ポストコロナとして発展するのかは、予測不能です。
| 固定リンク
« ポスト・コロナショック時代の私立学校(107)三田国際 オンラインPBL授業も順調に高い次元で展開。 | トップページ | ポスト・コロナショック時代の私立学校(108)聖パウロ学園 オンラインダンス授業が熱い! »
「創造的破壊」カテゴリの記事
- どうする東京の私立学校2024(2023.12.01)
- 【研究所ブログ第6回】教科の授業と探究の接点(2023.11.27)
- 国立大学「地域枠」6割に 都市の生活社会をどうするかも当然重要(2023.11.27)
- 2025年以降は、教育力を「外生的技術進歩」と「内生的技術進歩」と「哲学シンキングなど」の3つのスコープで学校選択ができるようになる(2023.11.24)
- 羽田国際② 人口減の未来に外生的技術進歩と内生的技術進歩を統合する人材輩出に期待(2023.11.23)
最近のコメント