ポスト・コロナショック時代がもたらすコト(18)工学院の平方校長 ≪Z世代≫の未来を開く 鬼神のごとく①
★先週の土曜日午前、工学院大学附属中高の校長平方邦行先生から、Zoomミーティングしようとメッセージがはいって、いきなり画面越しに対話がはじまりました。驚きました。
★というのも、もともと平方先生は、≪私学の系譜≫を保守する守護神ですから、対話するのは力が要りますが、今回はさらにパワーアップしていたのです。
★平方先生は、常に時代の精神を読み続け、子供たちの学びの自由を守るだけではなく、21世紀型スキルを実装する教育をつくり、この領域の市民権を得ています。実際、一般財団法人日本私学教育研究所の副理事長で、全国私学の研修会で未来志向の研修コンセプトを実現しているし、一般財団東京私立中学高等学校協会の副会長で、私学の教育のみならず、私学振興のための財務面でのロビー活動でも、同協会会長近藤先生をはじめ多くの私学の先生方と行っています。
★ですが、今回はそれを超えたそれでいて清涼な勢いなのです。現状の21世紀型教育のエッジを読み切り、さらに未来に進むイマジネーションがさく裂している感じでした。
★学生時代、あの彫刻家高田博厚と親交があり、自身の作品もギャラリーに出展していたほどです。たんに彫刻作品を制作していたというだけではなく、高田博厚の思想にも共鳴していたという話を聞いて、なるほどと納得しました。
★高田は、若くしてフランスに渡り、ロマン・ロランやアラン、ルオー、マイヨールをはじめ多くのフラン知識人た芸術家と親交を深めた思想家でもあります。第二次世界大戦も戦後もフランスに居続け、反ファシズムや理想主義的ヒューマニストとして活動もしていたのです。なるほど、平方先生はその当時の高揚を覚醒させていました。
★要するに、アフターコロナは、元に戻らないけれど、元に戻そうとする勢力も当然いるわけです。その勢力について誰々とは言いませんでしたが、平方先生の周りには最前線で葛藤を起こしている人々と直接会っていますから、メラメラと在野の精神が湧いてきたというのです。今目の前の生徒つまり≪Z世代≫の行く手を阻むことは断固ゆるしてはならないというミッションを引き受けたというのです。
★そのためには、もちろん法整備などの制度設計においても闘っていくのだが、これは時間がかかりすぎるし、そう簡単ではないことは百も承知だから、<グローバルオンラインエデュケーション(GOE)>を一握りの学校の教育活動ではなく、日本全体に拡張していくというのです。
★ただし、さあ集まりましょうという従来型の組織づくりの段取りを踏む必要はまったくないと。今や平方先生自身Zoomianになっているので、全国の識者とつながっています。そこで、どんどんアイデアを語り合えば、拡散するというイメージを持っています。
★しかし、同時に、ニューノーマルとして確立するには組織運営も必要です。そこで隗よりはじめよで、工学院が良きモデルになるだろうというのです。
★すでに、今回の工学院のオンラインPBL授業は、すでにそのモデルになっているのではと問うと、もちろん先生方はがんばっているし、生徒もそうだ。それよい。でも、校長としてのミッションは、この先生方と生徒の教育出動を新しい社会の動きにきちんとつながるようにしていく必要があると。そうなったとき、社会のあらゆる領域で大きな変化が起こるから、その変化に翻弄されるのではなく、逆に変化を創るポジショニングを先生方及び生徒が獲得できるように戦略を立てて、実装しなくてはならないのだと。
★なるほど、さらに覚醒して、清々しい鬼神に変貌しているのはそういうわけなのだと合点がいったのです。(つづく)
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