ポスト・コロナショック時代の私立学校(74)工学院のオンライン 未来を志向する人々に注目されている。本質ブランドが希求される。
★緊急事態宣言が延長され、地域によって違うが、東京エリアは5月末まで、一斉休校も延期となりました。それゆえ、7日と今日8日は、もはやオフラインでなんとかなると思っていたところも一斉にオンライン学習の立ち上げにバタバタしています。生徒の命を守るということと学習権を保障するという民主主義の根本問題を突きつけられているからです。
★オンライン授業の是非について多様な領域からメディアやSNSで語られていますが、ほとんどが同じ視点で同じトーンで語れれていて、実践している人たちの例を報道するケースメソッドがほとんどです。それはそれで大いに参考になります。ただ、命を守ることと学習権という民主主義の根本問題として意識して実践しているかと問われると、そんなのは当たり前だというのでしょうが、あまり感じられませんね。
★しかしここにきて、メディアでもいよいよ学習権について言及するようになってきました。ただ、どうやって?というケースメソッドがないということに未来志向の人びとは気づいたのです。そこで、ネット上で探しているのでしょう。ホンマノオト21のアクセスランキングを見ていて、「ポスト・コロナショック時代の私立学校(70)工学院のオンライン学習の全体システム早くも構築。工学系大学附属ならではの挑戦。」という記事が、他の記事程爆発的なアクセス数ではないのですが、じわじわとアクセス数を増やしています。
★ホンマオオト21で工学院の記事を書くときは、なかなか難しいのです。たんてきに「〇〇」をやっているどうだという発信を工学院はすることがないので、本質的アプローチでみていかなくてはならないからです。
★しかもパーフェクトに「生徒中心主義」なので、私がこういう理論でこういう実践で指導しているという、メディアウケする教師がリーダーシップを発揮しているわけではないので、書きこむのはなかなか難関です。
★しかし、だからこそ、書く必要があると私は思います。世の中は、本質を回避します。シャイなのかどうかわかりませんが、視聴率や発行部数を意識すると、生徒中心主義より消費者中心主義や生産者中心主義になるのは当然です。
★ところが、ポスト・コロナショック時代は、消費者中心主義や生産者中心主義がどうも怪しくなってきたということでしょう。未来志向の人びとは、本質的な生徒中心主義という内生的経済成長理論=<新しい学びの経験をベースにする経済>を探しているはずです。
★自分の子どものためにというのもありますが、ソサイエティ5.0は、まだまだ消費者中心主義や生産者中心主義が残っていますので、さらに次のフェーズと想いを巡らした時、まさに今の生徒がそこで挑戦し新しい世界を創ることができるかにかかっているということに気づいているのです。
★その流れからいって、「工学院のオンライン」は、ものの見事に未来世界を実現してしまっているのです。現状のメディア報道ではオンラインのデバイスやアプリ、プラットフォームの話が満開ですが、工学院はそこはすでに実装しています。
★また、家庭力のケアの話をして、自分のところは考え始めているといっている語っている校長もたくさんいますが、工学院はそこは最初から重点的に広範囲に深堀して行っています。グーグルフォームで、数年前から着々とやってきたし、保健体育科と家庭科の先生方が協力してセルエンパワーメントエバリュエーションの授業もデザインしてきました。
★これらは、オンラインに移行することで、よりロゴス化され共有化されデータ化されます。
★学力も、思考コードをすでに創ってきましたから、その領域ごとに問いを確認し、共有し、基礎から応用、創造的思考までできてしまいます。オンライン授業になると知識確認ドリル型になると批判もありますが、工学院はそこはすでにクリアしているのです。
★かくして、上記の図にあるように、この1カ月の間に、生徒の存在とマインドを生成してきた今までの実践を、すべてオンライン学習環境で実装してしまったのです。
★何より、この実現を可能にした21世紀私学人チームの涙ぐましいバックヤードの活動はすさまじい限りです。しかし、このバックヤードで共に乗り切った教師と生徒がどれほど自己変容するか計り知れません。
★未来志向の人びとが、教育と社会と組織開発の循環モデルを工学院に見るのは、何か歴史的必然性を感じます。「工学院のオンライン」とグーグルなどのブラウザーで検索するとトップページにでてきます。それと同時に先述のホンマノオト21の記事も出てきます。これは多くの人が見ていることの証の1つです。
★消費者ウケするブランドから本質的ブランドへ。実は消費者自身が生産者自身が本質的なコトに覚醒するのが、ポスト・コロナショックの時代なのかもしれません。
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