ポスト・コロナショック時代の私立学校(100)駒場東邦の「学校の様子」の背景に<見えない教育力>の存在
★5月2日、駒場東邦は、同校サイトに「学校の様子」という記事を載せました。美しい写真を10枚掲載しています。言葉は少なめですが、写真は多くを物語っています。見る者に、駒場東邦の教育力の奥深さを感じさせてくれます。10枚の中から次の4枚を拝借します。
★1枚目は休校中にグランドピアノの調律をしているシーンです。学校再開した時にコンディションの良い状態で生徒がピアノを演奏できるようにという先生方の想いが響いてきます。そして、駒東にはたくさんピアノの青年がいるのだとアートや教養の素養も伝わってきます。
★2枚目は、ホタルカズラの花の写真です。地方によっては、絶滅危惧種に指定されているぐらい貴重な花が、世界のパンデミックの脅威をよそに、静かに微笑んでいます。生徒のみなさんに、大事なことは何か、自分を凛として美しく持ちなさいという先生方の祈る思いが感じられます。
★3枚目は、80人の先生方がZoomで職員会議を行っているシーンです。駒場東邦は特に際立ってオンライン授業のことを発信していません。おそらくしているでしょうが、生徒や保護者にはグループウェア―で連絡がいっていて、公開はされていません。
★しかし、この写真を見れば、Zoomを職員会議にだけ活用しているとは思えません。当然授業でも活用しているというのは推測に難くありません。ただし、学校挙げて一律にやっているかというと、同校の性格からいってないでしょう。それゆえ、駒東はオンライン授業をやっているのだと大々的に発信はしないのでしょう。
★駒東は、先生方の授業の自由が重視されていますから、先生によって創意工夫して行っているのでしょう。このような緊急事態のときに、学校全体で解決しようとある意味大きな政府のような機能を使うか、それぞれが自分の判断で最適の判断をして行動することを優先する小さな政府のような機能を使うのか、どちらがよいのかその解答はないでしょう。
★その是非はもっと客観的にみるようにしたいものだと諭しているようでもあります。
★4枚目は、高3に郵送する課題の束を先生が奮闘して整理しているシーンです。プラットフォームを使って、授業をやっているんだけれど、高3は、それでは足りないという高い大学合格実績を出すノウハウは、まだまだオンラインでは十分でないことをアピールしています。柔軟かつ冷静なその構えは、高度なサイエンスリテラシーを育てる駒場東邦らしい姿勢です。
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