ポスト・コロナショック時代の私立学校(79)工学院平方校長のスーパー構想。21世紀私学人の凄さ。①
★本日、平方校長とリモート雑談をしました。緊急事態宣言前夜にリアルにお会いした時とリモート上でお会いしたときとでは、21世紀型教育の構想の次元が違いました。オンライン授業体制を通して、ご自身がオンライン学校説明に出演したことを通してのリフレクションが構想のドメインとフィールドをさらに増やし拡大しています。またまた驚愕です。
★グッドワークをなす条件に、ハワード・ガードナー教授は、ミッションと判断・評価基準とアイデンティティ形成力をあげています。平方先生は、同校の先生方とはやいうちに思考コードという判断・評価基準を形成していますし、21世紀の教育とはどうあるのかそのアイデンティティも時代の変動に適合するように自己変容させています。
★そして、何よりミッションが凄すぎます。平方先生の世界中の子供たちがクリエイティブクラスになることであり、創造的存在を生成する21世紀型教育のハイクオリティを構築することです。そして、そのミッションを牽引する平方先生のメンタルモデルは「パッション」なのです。
★この「パッション」というのは、もちろん情熱という意味もあるのですが、実はもう一つの意味である「受難」という意味を平方先生は有しています。いわゆるクリスチャンではないですが、内村鑑三的な≪私学の系譜≫を引き継いでいるので、無教会派的なクリスチャンマインドと重なるのかもしれません。
★「受難」とは、バッハの「マタイ受難曲」でいう受難です。世界の痛みの総決算を引き受けて、たとえ十字架にかけられようと、ゆるぎなくミッションを遂行するので、困難や矛盾、葛藤を目の前にして無難に切り抜けようという人々には恐ろしく感じるかもしれません。敵が多いのもそうですが、何と言っても12使徒でさえ知らないと鶏が鳴くまでに3度いって、かかわりないと去ろうとしてしまうほどすさまじいパッションなのです。
★だからこそ、平方先生は、まさにそういうパッション、ミッションを有しているので、怖いものを知らないのです。したがって、邁進あるのみです。ただし、極めて戦略的スキルの持ち主ですから、猪突猛進ということではないのです。一方で、アーティストですから、発想が並みでないので、今回もそう来ますかあ !と驚かされたのですが、そういうことは頻繁にあります。それから生物の教師でもありますから、データベースのサイエンスリアルを大切にします。それからそれから技術の教師でもあるので、道具性やスキルの本質的理解が深いですね。ICTもその延長上で捉えているので、自らラップトップを持ち歩き、文科省や全国の研修でイノベーターぶりも発揮しています。
★そんなスーパーパワーの21世紀私学人だからこそ、「21世紀型教育」「思考コード」「C1英語」「哲学英語」、「ハイブリッドクラス」「PBL」など次々と創って行きました。これらの言葉は、学内用語ではなく、今では中学入試市場で当たり前のように見聞する言葉です。
★しかし、最初はすべて工学院から始まったのです。創造者というのは、ハワード・ガードナー教授によると、個人の才能とドメインの深まりとフィールドの広がりによって成り立ちます。おそらくあるドメインの中で才能を発揮しているだけでは職人とか達人という域にいるのでしょうが、市場のようなフィールドでその力を発揮し貢献していくとはじめて創造者となるのでしょう。
★リチャード・フロリダ教授が、日本人は創造的才能者が多いのだけれど、フィールドを自ら広げるスキルが弱いから職人や達人の域をでられない。起業家も米国に比べて多くないというのですね。
★そういう意味では、平方先生のように21世紀私学人は、クリエイティブクラスの牽引者でもあるわけです。そして、構想力こそ重要だということに改めて気づきました。構想力とは、ミッション×ビジョン×実装スキル×ドメイン知の構築×フィールド創発の総合力によって形成されます。ポスト・コロナショック時代は、実装スキルのアップデートした新しい構想力の時代です。
★さて、どんな新構想力かというと、あのマイケル・オズボーンのリサーチした2030年という未来のスキルの必要性が、今回のオンライン学習によって明らかになったし、少なくとも教育の世界では実現段階に一気に入った。そこからどこへ歩を進めるかという時代がいきなり来たというのです。その構想を描く力が半端ないのです。しかも夢物語ではない。そでに行っているところから出発できるというのです。(つづく)
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