ポスト・コロナショック時代の私立学校(71)ノートルダムのオンライン学習 未来はブラックボックスかパンドラの箱か宝箱か? Zoom雑談で①。
★連休も終盤、しかし緊急事態宣言の解除は延期。私たちは、いまここでまさに世界同時的に予測不能な事態に投げ込まれています。ハイデッガーなら<投企>と言ったかもしれません。この言葉は、ハイデッガーの<Entwurf>というドイツ語を訳したものです。一般的ではないので、訳語をつくった哲学者は苦労したでしょう。まさにその試みそれ自体<投企>だったわけですね。
★英訳では<Project>が当てられますが、独英辞典を調べてみると、<Entwurf>には<design>という訳語が一般的なようです。設計用語なのでしょう。
★荒れ地という未踏の地に投げ込まれた人類は、叡智を結集して住まう時空をデザインしてきた歴史の中に生きています。そのたびにプロジェクトチームが結集されてきました。PBL(Project based Learning)型授業というとき、そんな意味がこめられているという話は、ノートルダムの先生方とはできてしまう。さすがカトリックの学校です。
★というのも、旧約聖書の<ヨブ記>はまさに理不尽な予測不能な事態の中でヨブが苦悩して困窮したにもかかわらず誠実に生き抜く姿が表現されていますが、そんな話が宗教科の先生や数学科の先生、社会科の先生、保健体育科の先生などとの雑談の中で静かな情熱の火をともしながら話せるベースがあるからでしょう。
★そういえば、ハイデッガーは、プロテスタントに転向する前はカトリック信者でした。哲学というより神学を研究していたと聞いたこともあります。京都大学も近くにあり、哲学の道の通じる場所にノートルダム女学院はあります。しぜんと<京都学派>の読み返しを雑談の中で対話していたりもしています。ある意味筋金入りのPBL型授業を実践しようと確固たる決意をしているのかもしれませんね。
★枕が長くなりましたが(私のブログはだいたい全部枕で冗長なだけなのですが 汗;)、ともあれZoom雑談しましょうよという声がどこからともなく降ってきて、昨日午前中から6時間くらい雑談しました。学校の授業時間割さながらの雑談時空でみんなで眩暈していましたが(笑)。
★雑談とはいえ、テーマは「未来」でした。オンライン授業に着手して、ものすごい勢いでノートルダムグループは実践しています。実践するたびに進化がすさまじいのは、オンライン授業を行っている学校の雰囲気と同期しています。
★そこで、ポスト・コロナショック時代の「未来」を、現状オンライン学習を行っている学校のケースややりきれていない日本の教育の情報などバードアイで俯瞰するところから雑談ははじましました。
★京都の状況と東京の状況は共通点もあるし相違点もあります。ノートルダム先生方は日々多様なZoomセミナーなどで学んでいるし、全国区の教師のネットワークにSNS上でもつながっているので、コンパラティブスタディーさながらの雑談になっていきました。
★その中で、新しい軸での教育市場マップのノートルダムのミッションポジショニングも見えてきました。そんな話がふくらんでいったところで、1時間が過ぎました。5分間休憩し、次は、「未来」をマクロからではなく、「オンラインPBL授業」というミクロから「未来」を見通してみようという話になりました。
★カトリック学校は、聖書の辛子だね(マスタードの種)のエピソードは共有ストーリーです。つまり、小さくはじまり大きく成長するというメンタルストーリーは共感できるシナリオです。いまここで日々のオンランPBL授業の中に、未来が開かれていくという共感覚を持ち合わせていると常々感じています。(つづく)
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