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2020年5月 9日 (土)

ポスト・コロナショック時代の私立学校(78)工学院のオンライン学習がGoodWorkを出動し、GoodMindを生み出している。

★工学院のオンライン学校説明会に参加して、感動しました。というのは、2001年前後にハワード・ガードナー教授(ハーバード大学で研究。多重知能とかレッジョ・エミリアの教育で日本でも有名)が、MI理論のみならず、5つのマインドについて研究を展開していたり、GoodWorkについてはミハイ・チクセントミハイ教授らと共著を出版していたのですが、そのガードナー教授のマインドゴールを工学院が実現しているのだという確信を抱けたからです。

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★上記写真の本の第1章は、いきなり次の文章から始まります。

IN EVERY HISTORICAL ERA, many people have sought to carry out good work. It has always been true that some people do their work expertly but not very responsibly. People who do good work, in our sense of the term, are clearly skilled in one or more professional realms. At the same time, rather than merely following money or fame alone, or choosing the path of least resistance when in conflict, they are thoughtful about their responsibilities and the implications of their work. At best, they are concerned to act in a responsible fashion with respect toward their personal goals; their family, friends, peers and colleagues; their mission or sense of calling; the institutions with which they are affiliated; and, lastly, the wider world— people they do not know, those who will come afterwards, and, in the grandest sense, to the planet or to God. 

★この部分の翻訳はご自身であるいはグーグル翻訳などでお願いいたします。私は中学英語のレベルで、気づいたところを拾っていきます。ともあれ、どんな時代も、グッドワークを行うことはやりがいのあることだというわけです。でもそのグッドワークが何かは、意外と研究されていない。グッドワーカーは、お金や名誉に拘泥しない。対立したり難局に出会ったりしたときに責任回避したり無難な道を選ぶこともない。自分の仕事は、家族のため、友のため、仲間のため、世界のため、惑星や神のため・・・と自らより他者のために働くことがグッドワークなのだと。

★このようなミッションを工学院の先生方は持っているんです。そして、一つのドメインで専門的に優れているからといって、それで責任を果たしていることにはあまりならない。グッドワーカーは、幾つか横断的に専門的な仕事をしてしまうものだんだと。

★これも、今回工学院のオンライン学習によって見える化され、共有されている学びのシステムになっています。そして、少し読み続けると、Good Work in Uncertain Timestというタイトルのパラグラフがでてきます。こうあります。

To do good work is a laudable goal, one difficult to achieve even under favorable circumstances. In the modern world scarcely anyone is sealed off from rampant and rapid innovations or from intrusive market forces. Indeed, even in professions that might seem immune, these forces are dramatically evident.

★たしかに、2001年前後は、ITバブルがはじけたり、世界同時テロが起きていたり、一方バイオテクノロジーやAIのムーブメントが盛り上がって来ていた時です。当時も予測不能な不確かな時代だったのです。新しいグッドワークへの期待とそうはうまくいかないという状況が横たわっていました。

★そして、激動の歴史の流れやイノベーション、グローバリゼーションの煩雑さは封鎖することはできないとガードナーは嘆いていた(もちろんあきらめてはいません)のです。

★エッ!封鎖出来ない?ところが、そのときから20年経った今、ロックダウンがなされたのです。そして、今度こそグッドワークを見直す時間と実践する機会が顕れたのです。

★工学院の教師も生徒も今、グッドワークを行っています。グッドマインドを共有しています。凄いことになっていると思います。なぜこれができたのか、来週Zoomミーティングで聞いてみたいと思います。

★ともかく、21世紀型教育や21世紀社会の行く手をふさいでいていた欲望の政治経済、分断的国際的世界が、この状況になって、次のようにガードナー教授が語っているグッドワークの世界が工学院に開かれたのです。逆説的にも!

 Paradoxically, we feel 100 percent alive when we are so committed to the task at hand that we lose track of time, of our interests— even of our own existence.

★自分の存在さえも忘れてしまうほど100%生きている実感を感じることができる時間をゲットできているのです。ポスト・コロナショック時代は、グッドワークを行うグッドマインドを堅い意志をもってすれば誰もが手に入れられる時代です。もちろん、それを邪魔をする反動的な流れもあるでしょう。しかし、ついこの間までは、グッドワークやグッドマインドは夢物語だったのです。それがいまここに現れてしまったのです。

★私が工学院に注目しているのは、ガードナー教授が2001年に感じていたことと同期しているし、今や実現してしまっていると感じているからです。そして世の中がそこに気づかいないとしたら、あまりにももったいない。希望への機会損失です。だから、書き続けようと思います。幸せの青い鳥を工学院で見つけられることを。

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