ポスト・コロナショック時代に、新しい教育活動を開始する私立学校(56)聖パウロ学園のオンライン学習 コンパッション×トランスフォーム
★聖パウロ学園のオンライン学習も着々と進化しています。今回の事態は、まるで教師も生徒も互いに別々の宇宙空間に投げだされて、いっしょに着地する新しい星をみつける探索を行っている雰囲気になってきました。
★互いがつながるツールは、ZOOMあるいはグーグルクラスルームです。世の中多様なアプリが出回っています。その情報を獲得しつつも、シンプルな武器を自在に使いこなす方が実は学びの循環がうまくいくということに気づいたと先生方は語っています。
★結局、「教科的な考えるスキルアップ」と「面談によるマインドセット」ができるかどうか。「オンライン授業」と「生徒が自由な時間を創意工夫しながら思索にふけるセルフマネジメント」のハイブリッドな遠隔学習をどう作り上げていくか。日々アップデートという感じです。
★しかし、そんな中、レポートの提出とそれに対するフィードバック、面談による対話の質こそが極めて重要だと主幹の小島綾子先生は語ります。
★先生方の面談を遠くで眺めていると、スキルトレーニングの方法をどうするか生徒と語り合うコーチング、この新型コロナショックの理不尽な事態を自分がどう受けとめ、どう意味付けしていくのか、歴史の中の自分、世界の中の自分、そして歴史に影響を与える自分、世界に影響を与える自分ということについて、教師は生徒の話を聞きながら共感していきます。
★これらの過程は、問いの深まりと自分の新しい姿の発見を紡ぎ出しています。
★共に喜びも悲しみも受け入れ、いっしょに乗り越えていくにはどうしたらよいか。教師も初めてであう未曽有の経験です。自分だってわからないから、いっしょに考えてみようと互いに弱みを共有するところから面談ははじまっています。
★生徒が自ら学び方を学び、学びのプランを立てながらも、なかなかうまくいかない。うまくいかないとき、実はイライラする。外で思い切り身体を動かせないから、ますます鬱屈してくる。
★そんなとき、教師と語る。教師もみんなと直接あって話をしたいし、みんなの前で授業をやりたい。それが自分たちの価値だと思ってきたのに、それは今はできない。新しくどうやってとらえかえせばよいのか考えているのだと、晴れやかになれない気分を生徒と共有したり、体育科の教師の体操の動画に生徒は画面越しに大いに喜んだりする毎日です。
★一回の対話で晴れやかにはなれないし、一瞬勇気と自信をもっても、持続可能はそう簡単ではない。互いに違う宇宙に放り出されていても、日々つながっている、悲しみも喜びも共有している。そして諦めない。今までにない情況だから、今までにない新しい自分や世界を創ろうよと語り合い続けているのです。
★小島綾子先生は、聖パウロ学園の教師の対話の柔らかさと深みを改めて感じる毎日ですと。afterコロナでは、今感じている対話の質をさらに持続可能にするメカニズムをつくっていきたいと。
★たしかに聖パウロ学園の対話は、あのオープンダイアローグというケアフルな面もあるし、好奇心を引き出していくコーチング手法の対話もある。メンターとしての対話もあるし、創発するという対話もある。
★しかし、物理学者ボームではないが、高邁な何かが通奏低音として一貫して鳴り響いています。いったいそれは何か?それは教師と生徒が感じ取っている何かです。ここで明かすのは野暮というものです。
★いずれ、レポートやデータで先生方自身が言語化することでしょう。その成果は、今はだれも持っていないものです。これからの教育に貢献するものとなるでしょう。
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