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2020年4月 6日 (月)

ポスト・コロナショック時代に、新しい教育活動を開始する私立学校(17)富士見丘をはじめ多様な<オンライン学習>が開発される。

★政府が緊急事態宣言を出すかどうかの話題が高まり、刻々と事態が変化しています。医療崩壊や治安崩壊など、メディアで報道されている以上の拡大があるのではないかという不安もSNSなどで飛び交っています。

★私立学校は、横のつながりで情報を交換しながら、最終的には、各私学が自分で判断して動きます。したがって、今回の世界リスクに対し、どのように対応して教育活動を持続可能にしていくのか、多様な在り方が生まれます。そこで学び続ける生徒の言動も、新たな学習の在り方を生んでいきます。

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★たとえば、富士見丘は、同校サイトによると、4月1日の教師研修で、<オンライン学習や課題配信などに対応>する挑戦をしています。同校は1人1台タブレット型PCを活用してPBL型授業を行ってきていますから、すぐに対応できるのですが、ここで、同校は「オンライン授業」を行うとは言っていないことが重要です。

★もともと、<自律/自立学習5×2>という探究学習を普段使いにしているベースがあるので、すべて<オンライン授業>で行う必要がないのです。おそらくそれが大学のオンライン講義とは違うところです。大学では、どうしても講義のコマ数が決まっていて、自在に分離したり融合したりすることが難しいのです。

★ところが、中高は、これは自在に組み合わせを換えられます。というのは、大学と違い<対話>のレベルが授業だけではなく、生徒指導という生活でも行われているからです。

★ですから、<オンライン授業>も行うけれど、<課題>を自宅で行うのも<反転学習>として<オンライン授業>の延長で捉えることができます。また、<自律/自立学習5×2>は、教師が指示しなくても自ら行っていく時間もカウントできます。もちろん、制度的な問題もあるのですが、それも時間の問題でしょう。

★したがって、<オンライン学習>=<オンライン授業+課題学習+探究>というシステムが富士見丘では行われていくことになるでしょう。しかしながら、これは普段の富士見丘の教育活動を見える化あるいは形式知化しているだけで、慌ててつくったものではありません。

★したがって、同校の教育研修では、普段学校キャンパスで行ってきたことをオンライン及び自宅というスペースに適用させる調整が主たる目的だったのだと思います。

★しかしながら、この見える化や形式知化は、いったんシステムになると、平常時になっても活用できます。富士見丘の教育活動が、世界リスクに挑んで創意工夫することによって、複雑適用系の豊かでタフな学びのシステムになっているでしょう。

★同様のことが他の学校でも起こるでしょう。そして、私立学校だけではなく、公立学校でも広がります。おそらく、多様な私立学校の動きの中から最もシンプルで効果的なシステムが活用されるでしょうが、ただ決定的に重要なシステムは、ケアシステムです。

★これは実に複雑で、そう簡単ではありません。共感的コミュニケーションをどうやってオンラインで創っていけるのか。共感オンラインコミュニケーションの必要性に挑戦するにはどうしたらよいのか。これが大事だこととなりましょう。

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