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2020年4月17日 (金)

ポスト・コロナショック時代に、新しい教育活動を開始する私立学校(40)聖学院の新しい教育活動。SモデルはNモデルとはまた違う。

★聖学院が矢継ぎ早に新しい教育活動を展開しています。同校サイトをみるともの凄い動きになっているのが了解できます。

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★昨日、政府は緊急事態宣言を全国に拡大しました。多くの経済混乱や心的混迷が予想されますが、聖学院は予測不能な時代に対応する教育活動をしているために、世界リスクを乗り越え、世界をどうやって救うのか新しい教育出動を迅速に開始しています。

★授業は、オンラインによって行っています。教師は在宅勤務、いわゆるテレワークになっています。もちろん生徒もそうです。その様子は大学通信で紹介されてもいます。受験業界から注目を浴びているということですね。今後ますますメディアが注目していくことでしょう。

★そして、何よりすばらしいのが、同校の高1生がこのオンライン授業の有効性と今後の新しい学び方についてレポートを書いて、教師と生徒の評価を共有しているところです。まさにフラット・フリー・フェアーな学習する組織が出来上がっています。この3Fがいよいよ本格的に稼働しはじめたのです。

★1989年ベルリンの壁崩壊と時同じくして誕生したWWWですが、グローバルな動きがまだまだリアル時空がベースだったため、3Fは理念で終わっていたのが実際のところです。それゆえ、今分断世界が広がっています。しかし、このポスト・コロナショック時代は、サイバースペースのグローバル化が前面にでてきます。3Fが貫徹するスペースになっていくはずです。もっともそこでさえも制約・規制している国家はあるし、仮想通貨では今後もリアル時空との相克は続くのでしょうが。

★ともあれ、その高1生は、オンライン授業が、主体的な探究と自由な活動を広げるという点で、有益ではないかというのです。この緊急事態宣言がもしも5月6日以降も延長されたとしたら、学校はかりに再開したとしても、週の半分はオンライン学習で、のこりは学校でPBL型のワークショップ授業になるでしょうから、主体性と自由な動きができることと、リアルな空間での協働活動がデザインされていくことになるでしょう。このような動きを、その高1生は予言しているわけです。

★さらに凄いのが、オンライン職員会議をやってのけていることです。

★授業も職員会議もオンラインで行われることによって、新しい時間が生まれています。社会課題を解決するための自由な時空が豊かになっているのです。オンラインは時間が制約されますから、制約の中から創造性もあふれ出るはずです。

★すでにもうすぐ13,000人の生徒を抱えるような勢いのある通信制高校のN高校は、ネットコースができていますが、通学コースも用意されていて、通学する授業とネットで行う授業のハイブリッドカリキュラムになっています。東大をはじめ難関大学の大学合格実績も好調だし、なによりスーパーアスリートなどの才能者が活用する場になっています。

★聖学院も、一気呵成にN高校と同じ教育機能を整えたわけです。しかし、NモデルとSモデルの違いは、キリスト教ミッションがあるかないかと、哲学的学びがあるかどうかと、学習する組織というマネジメントがなされているかどうかです。

★なぜこんな違いがでてくるかというと、大規模か小規模かの違いによって生まれてくるのです。量は質への転換をもたらします。量がある臨界点に来た時に質が生まれます。

★Nモデルは生徒の人数が多いので、成長もデルが人口論的モデルに等しくなります。したがって、従来教育には不得手であった効率性、合理性、計算可能性、予測可能性が先鋭化される機能の質が高まります。

★一方S(聖学院)モデルは、小規模経営ですから、内生的成長論もデルが適用されます。1人ひとりの生徒にかける教育の時間の量が半端なく増えます。オンライン学習によって、時間を2倍速に回して学ぶ生徒がでてきますから、その量は半端ないわけです。そうなると、学びの質が高まります。

★それが、オンライン学校説明会という小規模人数に絞り切った双方向型説明会を開始する聖学院の動きに象徴されています。説明会は、アドミッションポリシーを共有する場です。カリキュラムポリシーが反映しています。まさに教育の質がさらに高まっている現状にピッタリ適合した説明会です。参加者にとっては、いまここで大切なものを共有する場となるでしょう。

★Nモデルは自律分散系の先鋭的な教育になり、1人ひとりの才能がさく裂します。

★Sモデルは自律分散協働系の先鋭的な教育になり、1人ひとりの才能と互いの協働才能というシナジー効果を生みだします。

★協働性が生まれると、そこにはミッションが生まれ、人間存在の真理を問う哲学が生まれ、学習する組織のマネジメントが生まれます。

★オンラインというサイバー時空がリアル時空と融合することによって、このそれぞれの量の質への転換を生みだすことになるでしょう。

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