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2020年4月 6日 (月)

ポスト・コロナショック時代に、新しい教育活動を開始する私立学校(18)開成・麻布・武蔵の<オンライン学習>をめぐる意味。

★本日4月6日(月)、緊急事態宣言が明日出される準備がなされているとニュースが流されている中、開成の入学式は始まりました。とはいっても、生徒の登校はありません。同校サイト上で、学園長・理事長、校長などの祝辞・式辞が公開され、式の代替としてシンプルになされました。

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(写真は、同校サイトから。)

★麻布と武蔵は、明日、明後日と入学式を縮小して行う予定でいます。が、仮に緊急事態宣言が出されれば、どうなるかはわかりませんね。開成は、5月6日までは登校はありません。シンプルな意思決定です。

★とはいえ、麻布も武蔵も登校日を決めて、分散登校・時差登校という社会距離を保ちながら、手洗い・うがい・マスク・体調管理など公衆衛生上の要素も学びながらということになっています。

★しかし、このような日々刻々と変わる社会情勢に対して俊敏に動けるのは、サイト機能の充実とフェアキャストというオンライン上の連絡網を日ごろから整備しているからです。

★また、先生方が独自のオンライン学習の創意工夫をしているからでしょう。開成や麻布、武蔵が1人1台のタブレットやラップトップを提供しているとは聞いたことがありませんが、生徒たちはデジタルネイティブのZ世代です。いいわるいは別にして、3校に通う生徒の家庭層はデジタル環境をもっていないということは、よほどのイデオロギーがその家庭にない限り、考えにくいですね。

★それゆえ、5月6日から11日くらいまで、学校によっては登校再開はまちまちだし、どうなるかわかりませんが、オンライン上で学びの環境を続けていくとサイトで発信しています。

★開成は「当面は、ICT教育(インターネットを利用した教育)にて、課題提出や遠隔授業などで、学習指導を行います。」と発信しています。

★麻布は「休校期間中は各学年会を中心に担当教員が一丸となって生徒諸君の支援にあたり、家庭での学 習教材の提供やインターネット等を利用した学習指導を行います。また、状況を見て安全性が確 保されるようであれば、分散登校による登校日を設けたいと考えております。」と発信しています。

★武蔵は「新年度もスタートしましたので、学習面を中心とした指導を順次進めて行きます。ICT の 活用など皆さんへの連絡手段の充実を図りながら、それらを通じて課題の指示などがなされる見込みです。」と発信しています。

★生徒や家庭がそれぞれICT環境を有しているという前提で発信がなされていることは明らかです。おもしろいのは、「ICT」とか「インターネト」という言葉を使いながらも、「オンライン」という言葉は、3校とも使っていないということですね。いつから、3校が使い始めるかそのタイミングは極めて重要です。そのとき、中学入試市場の方向性はガラリと変わるからです。

★「オンライン」というまだ定義も定まっていない、世間で習慣化していない言葉、文科省も使わないであろう言葉には、飛びつかないという姿勢が御三家です。その御三家が「オンライン」という言葉を使い始めたらマーケットも大きく変わるでしょう。

★とはいえ、前回富士見丘の記事でご紹介した<オンライン学習>=<オンライン授業+課題学習+自己探求>という学びは御三家でも進むと言うわけですね。

★ですから、中学入試市場の変容はもはや止められないわけです。

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