ポスト・コロナショック時代に、新しい教育活動を開始する私立学校(53)ノートルダム学院小学校のオンライン≪Transform lives, transform the world≫を体現③
★ノートルダム学院小学校の梅下先生から、次のようなメールをいただきました。まだ1週間ほど前のことなのですが、ずいぶん年数がたったような気がする今日この頃です。
お疲れ様です。
本日より4年生、iPadデビューしています。しかし、さすがデジタルネィティブ、はじめてのロイロでのアウトプット提出。
先週までは在校生様ホームページで、PDFの、課題からノートに、本日からはとうとうオンライン課題。
初日の記念すべき課題は公園のベンチ問題。
初ロイロの提出から、入力や手書きにチャレンジし、自分の考えをアウトプットした素晴らしい提出物に本日もたくさん出会えました。
子どもたちって、考えているんです。一人ひとりの考え、違ってもいいなぁと、課題に対してチャレンジする姿勢、小さな子どもたちかもしれませんが、侮れません。刺激になりますね。大人もアフターコロナに向けて!と改めて思えました。
★小学校4年生は、本当にデジタルネイティブで、たまたま私も小学校4年生と5年生の思考力講座をZOOMでやっていたところなので、梅下先生と情報交換・共有させていただいていたのです。
★「公園のベンチ問題」は、著作権の問題もあるので、ここでご紹介できませんが、ビジネスマンの頭を柔らかくするために書かれている論理思考問題の1つだと思います。
★でも、小学校4年生は自分の頭で考えて取り組んだようですね。
★もともと、普段から梅下先生は、グーグルクラスルームとロイロノートを活用して授業を行っていますから、生徒はリアル空間でありながらサイバー空間にもいるというハイブリッド時空に慣れています。
★今年からは4年生も担当されるということで、いきなり今まで行ってきた高学年のハイブリッド時空のオンライン授業をやったら、さすがはデジタルネイティブできてしまったということですね。
★ある意味、今はハイブリッド時空ではなく、完全にサイバー時空なので、授業の時間の制約がない分、じっくり考えるという思索の時間をとることができるのでしょう。思考問題を毎回投げていくようです。
★知識がないから考えられないという感じではなく、考えながら知識を調べたり紡いだりしているということのようです。
★このことは、中高だとなかなか理解が難しいのですが、小学校では腑に落ちやすいのです。
★なぜかというと、体験を重視しているノートルダムですから、生徒は体験を通して気づきが多く、そこから知識を発見して憶えていくわけです。
★梅下先生のメールを読んで気づいたことは、思考も小学生にとっては≪体験≫だということです。リアルな時空での体験と思考体験の次元の違いはありますが、≪体験≫から≪知識≫や≪法則≫を見出し、未知の≪体験≫に適用して、ズレていたら、修正していく新たな≪体験≫をしていくという螺旋的な学びをくり返していくわけです。
★まったく、これはピアジェの学習理論そのものです。
★これが、中高になると、リアルな時空での体験よりも、テキストやデータなどの二次的な体験から出発することが多いので、いつのまにか体験から知識が生まれてくることを忘れ、テキストやデータを憶えたり理解したりするところから出発せざるを得ないので、思考にはまず知識が大切だという話になるのでしょう。
★この思考しながらあとから知識が連鎖してくるという発想は、中高だけの環境にいる教師にはなかなか理解が難しいようです。
★しかし、ノートルダムは小学校と中高の教師の連携も生まれ始めているので、根源的な知や感情の話になります。
★困難に直面しそれを超える時、真理という根源に立ち還ることが自由の翼をえることだというマインドは、聖書の想いですから、カトリック学校はそこに素直に降りていくことができるのでしょう。
★梅下先生を始め、ノートルダムの先生方は外のセミナーやシンポジウムで学んでもいます。開かれた知的好奇心。これも徳と知という同校の理念と結びつくことなのでしょう。
参考)→「ベン図で比べる魚の違い&「ふりこ」の綱渡り 梅下博道先生(ノートルダム学院小学校)
[ロイロ超スクールをのぞいてみよう!] #シンキングツールの授業実践事例」
ロイロノート・スクールの主催の「勉強会」で梅下先生が発表した記事です。ぜひご覧ください。
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