ポスト・コロナショック時代に、新しい教育活動を開始する私立学校(34)工学院 オンライン学習の様子発信開始。
★昨日から、工学院大学附属中学校・高等学校は、オンライン学習を開始し、その模様を発信しはじめました。しかし、実際にはオンライン学習は3月から始めていたようです。同校サイトによると、「高校3年生は3月から様々な取り組みをスタートし、当初は参加率も得点率も低かったオンラインテストは、数日のうちにほぼ全員が受け、平均もどんどん上がっています。この状況になったことで、逆に自分を客観的に見ることができているのかもしれません。」とあります。
(写真は同校サイトから。生徒の個人の顔は出ないように加工してある写真でした)
★どうやら、<知識・理解>のトレーニングも、ふだんからデータ化されていて、ポートフォリオになっているということですね。ですから、今回<応用・論理>レベルの思考問題にシフトしていったとき、それもデータ化されたり痕跡がのこるので、<自らを客観的に>見るリフレクションがかなりできる機会になるというのが、オンライン学習のメリットだと生徒と共有しているのでしょう。
★また、こうもあります。「在校生にとっては、これまでの経験からオンラインの確立はスムーズに行うことができます。そのアドバンテージを使い、学習面での遅れを不安としないよう、オンラインの確立と共に「学習について」が学年よりオンラインで配信されています。」と。
★ここでも、工学院のオンライン学習は、たんにプリントのやりとりをする学びではなく、オンラインという相対化しやすいあるいはメタ認知しやすい媒介項であるから、生徒が自ら学び方を学ぶ機会にできるのだということを共有しているのでしょう。
★工学院のオンライン学習は序破急のリスムで進んでいるようです。今は共感的コミュニケーションがオンライン上でできるように足場づくりを優先しているようです。そして、生徒が自らを見つめる鏡としての価値を見出す準備をしているのでしょう。
★きめ細かい戦略戦術をデザインし、実装しているわけです。とはいえ、複数のデバイスや多様なアプリやコミュニケーションツールを活用しているので、先生方も眩暈の毎日だと思います。結構ストレスも高いでしょう。
★ですから、生徒だけではなく、先生方も多様なツールの使用において最適な組み合わせになる動態平衡が生まれるように、最初は足場づくりと言うわけでしょう。
★オンライン学習は集中と拡散の動態平衡が絶妙に仕組まれていないと、苦しくなります。逆に拡散しっぱなしだと、映画を見ているようにくつろいでしまします。なかなか難しいのですが、この体験は、世界同時的にみな初めての経験です。いろいろな気づきがたくさん生まれてくるでしょう。オンライン学習に取り組むこと自体がサバイバルラーニングなのかもしれません。
★次回の発信を楽しみにしています。
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