首都圏模試「思考コード」2021(12)A軸思考(知識・理解)とB軸(適用・論理)思考とC軸思考(批判・創造)の関係性を考える①SFCの国語
★2008年から、慶応義塾湘南藤沢(SFC)中等部は、国語の入試問題でC軸思考の問題を出題しています。最初の頃は100字記述だったのですが、ここ数年は160字から180字の記述が多いですね。2020年の入試問題はまだ手に入れていないので、2019年の問題を見てみましょう。
★上記の問題以外に長文2題の読解問題と語句問題も出るので、このC軸思考問題もちゃっちゃっとやらなくてはならないのですが、グラフの読み取り自体はA2思考とB2思考で解決できるので、それほど時間はかからないでしょう。
★ただ、この問題はこのグラフとしての<事実>の読み取りが、真実であるかどうかは、情報が少なくてわからないから、それを検証するためにはどうするのか問うています。ここが本題なわけですが、これもふだんの学校の生活体験の中で解決できる部分があるので、ちゃっちゃっと解決できてしまいます。
★身体検査とか保健体育の授業とか持ち出せばよいのでしょう。
★難しいかどうかというより、<事実>の物語編集とその物語がフィクションではなくて、ドキュメンタリーくらいの真実性があるかどうかを確かめるクリティカルシンキングがあるかどうかを問うているのでしょう。
★しかし、これが入試問題ではなく、SFCに入学してから授業で扱われたらどうなるでしょう。心理学やスポーツ科学、脳神経学、バイオテクノロジー、AI人間などの話に発展していくことでしょう。
★しかし、それには、<事実>としての物語をA軸思考とB軸思考で確かめておく必要があります。というより、C軸思考と同時に行われる話です。
★もともと経験の中から、あれっと思ったことを仮説を立て、推理し、検証し、そうそう調べることは言うまでもなく行います。とにかく、直接的経験であれ、たまたま二つのグラフが映し出す間接的経験を通してであれ、あれっ!?と思たっところから、A軸思考とB軸思考とC軸思考のループが回転し始めるでしょう。
★≪読書≫・≪自然との戯れ≫・≪社会のフィールドワーク≫・≪生活世界≫の直接的かつ間接的経験を通して生まれてくる気づきをA軸思考だけで回転させていくことは人間<存在>を無視しているというコトなのですね。私たちは、意外といつの間にかA軸思考のA1→A2→A3のループで学ぶことに慣れてきました。そこから解放されるには、SFCのような問題をプレイフルに学べるかということです。
★そうそう、この問題は、もちろん、C3思考の問題です。そして、適性検査型入試や思考力入試などの新タイプ入試は、このような華問題が満開に咲き乱れています。
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