感染症に対応する都市機能の変容能力(13)工学院はZ世代地球市民の才能開花の拠点 未来の都市機能を創発する④
★加藤昌弘先生のエイジェンシーとしてのアクションが<広報―生徒世界―PBL―CEFR×思考コード―ICT>という複雑適応系を生み出すエネルギー態を創発したと、前回書きました。その具体的な動きを簡単にご紹介しましょう。実はすでに田中歩先生が「工学院のPBL①(高校2年生 情報)」で記事を掲載していますから、詳しくはそちらをご覧ください。
★今回のグローバルプロジェクトから帰国した高2生は、情報の授業で、事後学習の一環として、自分たちは現地の人びとと何をやり、その意義は何であり、気づいたことは何か、さらなる課題は何かをプレゼンするアウトプットをデザインするPBLを行いました。
★田中歩先生は、ご自身の記事の中で、ここまでは、B軸(工学院の場合は横列がB軸になっています)のcriticak thinkingを活用しながらリサーチ―アクション―リフレクション―編集―作成―プレゼンの共創造を行っていると指摘しています。
★そうシンプルに言いましたが、生徒は現地で未知との遭遇をします。文化人類学的な視点や起業家的な精神を発揮します。ボランティア活動もします。英語をも活用します。もちろん、ノートPCも持参しています。すでに複雑適応系の動きを生徒自身がしてきたのです。
★ですから、田中歩先生は、情報の授業では、現地でC軸まで発揮してきたことをリフレクションしてB軸思考で再現しているというわけです。工学院のPBLは創発をやりっぱなしではなく、B軸思考で総括もします。すると、そこから次の発展形が見えてきます。B軸とC軸を往来するダイナミクスが複雑適応系のエネルギー態ということでしょう。
★で、それはすぐさま発展形になりました。加藤昌弘先生は、グローバルプロジェクトをまたまたリーフレットにしようと思った瞬間、生徒にいっしょに創ってみな~いと声をかけました。すぐに<GPパンフレット制作チーム>というプロジェクトが立ち上がりました。またまたC軸思考への旅が始まったのです。
★学校内で集まって絵コンテよろしくパンフレットのレイアウトの順序づけ・重みづけという生徒世界の制作が始まりました。学校だけでは時間が足りないので、普段授業で活用しているプラットフォームedomodoで頻繁に議論をしたり素材収集を行いました。複雑適応系がこういうところにも発動しています。
★かくして、パンフレットは出来上がっていきます。
★<広報―生徒世界―PBL-CEFR×思考コード―ICT>という複雑適応系の組織的動きの結晶ですね。こうした複雑適応系の思考やアクションができる生徒が工学院から羽ばたいていくのです。
★今時代は、要素還元主義的な20世紀産業社会が失ってきた自然と社会と精神のつながりを回復する複雑適応系の精神が脱産業社会を反映する新しい都市の自己変容をもたらすウネリが生まれています。工学院の生徒が再び新しい世界を牽引する活躍をすることになるでしょう。
★今「再び」と言いましたが、それは工学院は、日本で私立の工学部の大学として一号店で、20世紀産業社会の生活世界のインフラを生み出していったのはその卒業生たちだったのです。そして、今工学院グループが来たるべきソサイエティ5.0やSDGs2030に向けて自己変容しようとしているわけです。
★日本の近代化の立役者だった産業社会の扉を開いたのも、21世紀の脱近代・脱産業社会の扉を開くのも工学院の生徒たちです。そういう意味を込めて「工学院の生徒が再び新しい世界を牽引する」と書いたのです。
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