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2020年3月 5日 (木)

感染症に対応する都市機能の変容能力(10)工学院はZ世代地球市民の才能開花の拠点 未来の都市機能を創発する①

★今回の新型コロナウイルス感染拡大防止のための全国一斉休校の動きを通して、工学院大学附属中高の地球市民規模の対応力があるのに改めて気づきました。特にこのために特別なことをやるというのではなく、ふだんやっていることがそのまま神対応になってしまうというところが素晴らしいと思います。もちろん、そうはいっても、現場の先生方はそれ相応に大変なのですが、さあどうしようという話ではないのです。

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★そして当然神対応できるということは、学びの環境が複雑系で、それがゆえに最高のクオリティを醸し出しているのに、ふだんは複雑系がゆえに世間の目はわかりやすくないという理由で、気づこうとしないのです。

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★ところが、こういう緊急時には、複雑系という分厚い教育環境が細心の注意をはらいながら大胆なことができてしまう拠点であるこということが明白になるのです。複雑系が故に、その教育をどこからご紹介すればよいのか迷いますが、やはり有山先生がマネジメントしている「図書館」の機能からはじめましょう。

★上記の写真は、今年の1月に中学入試に立ち臨む生徒のための思考力セミナーのシーンです。有山先生がスーパーバイザーの役割を果たしています。場所は見てのとおり、図書館です。

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★このPBLスペースの左側に移動すると、Fabラボスペースです。ここでプログラミングや3Dプリンターを活用してのものづくりで外部コンクールで輝かしい実績を生み出す生徒が輩出されています。

★図書館にもかかかわらず図書が少なく、Fabラボスペースだったり、PBLスペースだったりするわけですが、実は電子図書が充実しているために、紙ベースの図書が少ないだけなのです。

★今回、一斉休校になったのですが、読書をすることは、困りはしません。しかも、有山先生は、各団体や教育機関がSNSなどでオープンにしている情報も集めて発信しています。

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★さすがに電子図書館はオープンにしていませんが、そのほかの情報を活用することができます。有山先生をはじめ同校の先生方が協力してこのような貢献を果たしているのです。

★特に有山先生は、あるときは担任、あるときは図書館司書教諭、ある時はまた国語の教師、あるときはまた大学の講師、あるときはまた部活の顧問、あるときは思考力入試セミナーのスーパーバイザーとマルチに活躍されていて頭が下がります。

★工学院のような複雑系のハイクオリティの学校は、かくして教師の情熱が半端じゃないのです。

★そして、このような情報を流すだけで、生徒が動きだすのは、PBL授業が浸透しているために、自分の探究への興味と関心がしっかりありますから、そこを深堀していく学びに貪欲です。

★普段からそうですから、今回のように時間がたっぷりあれば、それはなおさらそうなるでしょう。

★緊急時に神対応できるには、普段から分厚い教育システムとPBLのような教師と生徒が信頼関係を深める対話ベースの授業が大前提なのです。

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