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2020年3月25日 (水)

ポスト・コロナショック時代に、新しい教育活動を開始する私立学校(4)ノートルダム女学院の奇跡の動き。

★ノートルダム学院小学校の先生方とノートルダム女学院中学・高等学校の先生方が、現状の小中高のPBLなどの授業のクオリティを共有していくゆるやかでプレイフルなミーティングを行いました。自由参加で、カフェ風に展開していきました。

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★多くの気づきを互いにシェアし、今後もこのようなミーティングを開いていきたいという場になりました。しかしながら、これは校務分掌上のはなしではないし、まして管理職からやりなさいといわれたものでもなく、小学校の梅下先生と中高の霜田先生が日ごろから親しく、いろいろな社会貢献活動を行っている中で、最近互いにいろいろな動きが起きていて共有するとケミストリーが起こるかもしれないねと、自由参加でお知らせしてみようかという会話から生まれ出たブレストミーティングでした。

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★こんなことが起こるなんて、実は奇跡としか言いようがないのです。また大げさなと言われるかもしれません。しかし、小中高がPBL授業について互いに情報を交換してしまうなんていうことは、世の中にはそうあることではないでしょう。

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★だいいちノートルダム学院小学校で行ているチームNEXTの活動も、ノートルダム女学院で行われているナレッジカフェも今年になって自然発生的には生まれたがゆえに、その情報を共有するところから始まったミーティングです。そのようなチームが時同じくして生まれたということも奇跡といえましょう。

★小学校からは、自分たちは対話やグループワークも頻繁におこなっているし、グーグルフォームやロイロをかなり使ってPBL授業も開始している。中高は、どこまで進んでいるのですか?せっかくそのような新しい学びの経験をしている生徒が、中高に進んで満足を得られるだろうかという質問もでました。

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★それに対して、中高からは現状の報告と4月からはかなりPBL型授業は浸透していくというビジョンの説明がありました。そして今年京都大学に2名はいったけれど、今後はもっと増えるように深い学びをやっていきたいと。

★こんな話がザックバランにできるのは、開放的な精神の先生方が集まったからですが、この開放的な精神とか共感的なコミュニケーションができることも、実は日本の教育現場では奇跡なのです。

★そして、中高の数学科の中村拓先生からは、中高の数学科の取り組みと、中学で取り組んでいるPBLの授業が京都大学の今年の数学の入試問題の1つベクトルの問題を解くのに直結していることが説明されました。感嘆と同時にまだ信じられないというこれまたオープンな雰囲気の質問があったので、その場で説明するのにちょうどよい今年の鴎友学園女子の入試問題から平面図形の問題や立体図形の問題を瞬間的ではありましたが考えることにしました。

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★大いに盛り上がり、小中高の算数と数学の連携が京都大学へのキャリアデザインにもなるという気づきを共有できました。これも奇跡としかいいようがないでしょう。

★そして、さらに驚いたのは、霜田先生が休校中にグーグルクラスルームで哲学対話を行ったやりとりについて情報シェアした時に、ノートルダム学院小学校の卒業生がたくさんでてきて、小学校の先生方が口々に、おおがんばっているなあ、成長したなあと感嘆していたのでした。こんなことが語れることも奇跡でなくてなんといいましょう。

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★情報共有の後は、小中高混在したチームにわかれて、「常識」をテーマに、授業をデザインするミニワークショップも行いました。

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★それぞれ、母国語と英語の違いという言語的なアプローチや、サイエンスマス的なアプローチ、哲学的アプローチで授業デザインをして、シェア。今年のフェリスや桜蔭の中学入試、東大の帰国生入試においてテーマになった「常識」に関する問いにも対応できる授業であることを確認しながら、3つのアプローチの共通点と違いを、座標軸で表現していきました。

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★小中高の先生方が協働かつ教科横断的に授業デザインのワークショップが出来ること自体これも奇跡でしょう。そして、最終的にPBL授業を分析する座標軸に「可変」というキーワードが書き込まれました。期せずしてこの言葉が最後に出てきたのですが、これはノートルダムの生みの親であるマリアテレジア・ゲルハルティンガーが大切にしている大事な言葉だったのです。奇跡とはこういうことを指すのではないでしょうか。

★そしてこのようなノートルダム小学校とノートルダム女学院の共通の賜物を可視化できたのは、共感的コミュニケーションと他者のための個人マインドが共有されているからです。抑圧的世界ではなく共感的世界を日ごろから築いているからこそこのような奇跡が起こるのです。

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