感染症に対応する都市機能の変容能力(14)品川翔英 新しい都市創りに新旋風を巻き起こす予感。
★今年4月から品川翔英が立ちあがる。校名変更、共学化、<新しい学びの経験>開発がもたらす生徒の成長未来の大きなイメージに向かって着々と迅速に進んでいます。
★4月から新校長として就任する柴田哲彦先生は、昨年9月に副校長として着任し、同校のポテンシャルをつぶさに観察し先生方と対話を進めてきました。新しく変わるとなると、何をやるというパッケージ陳列の説明会になりがちですが、それは先生方のソフトパワーとその結集と大きなビジョンがあれば、走りながらできるので、全く焦らずに入試を迎えたそうです。
★結果は予想以上に生徒が集まり、時代が求めている響きとシンクロしている実感を抱いているそうです。
★柴田先生は、生徒が集まらない学校で改革を進めたり、全く新しい教育を創る学校の改革をしたり、東大や京大、医学部に合格させる進学校で合格以上の人間力を育てる改革にも携わってきました。
★そして、性格の違う学校でありながら、改革のパラドクスという共通点がどうして横たわっているかを身に染みてわかっていると語ります。では品川翔英ではどうするのか?それはまだ企業秘密だよと。でも、新しく変わる説明会でハードパワーやパッケージを並べなかったことで、本間さんならだいたい了解できるんでしょうと逆にプレッシャーをかけられました(笑)。
★インタビューをさせて頂いた部屋には、「品川翔英中学~自主・創造・貢献~」という「入学準備ノート」が積んでありましたから、見せていただくと、たしかになるほどというわけでした。
★柴田先生は、「でしょう。ポテンシャルはものすごくある学校ですよ。校訓の<自主・創造・貢献>は、まさに「主体的・対話的で深い学び」という授業に反映しやすい校訓です。理念と現実が一致できる学校なんて、意外と少ないのは釈迦に説法でしょうが、本校はできると確信しています。というのも、カリキュラムマネージメントのリーダーや探究担当のリーダが、その線で動いたり、学力の三要素を各教育活動に結びつけようというプランをすでにシェアしてくれているからです。校訓―新しい授業―ディプロマが、すぐに構想できる先生方がすでにいるわけですよ。学力の3要素は、指導要録にまで一貫しなくてはならないのが新学習指導要領なんですが、この変更は大きなことで多くの学校では厄介だなというわけですが、本校ではやっと時代が自分たちに追いつてきたとなかり静かな情熱で燃えているんです。内発的モチベーションが高いのに、驚愕していますよ」というわけです。
★探究の時間では、ドラマエデュケーションを取り入れたり、海外研修では探究ベースのPBLを開発していくということです。PBLであろうがアクティブラーニングであろうが、名前はともかく、マイプロジェクトー仲間とのプロジェクトーSDGsのような世界プロジェyクトに挑戦するという意味では、普段の授業と探究と教育活動の一貫性があってよいと判断しているということです。
★そして、PBLをやるならルーブリック、ルーブリックで評価するなら定期テストは不要という話が共有できてしまったというのも凄いことです。定期テストの前後の週の授業はたいていは定期テストのための授業になってしまいます。それは実はどこの学校でも疑問視されてきました。定期テストのための授業というのはどこか本末転倒だし、ただでさえ時間がないないというのが現場です。その時間はもっと有効活用できるはずですだからです。
★なるほど、改革のパラドクスを飛び越える作戦なのだと腑に落ちました。教師のポテンシャルベースの学校マネジメント。それは生徒にも同じことがいえるようになるのでしょう。
★品川区という多様なネットワークの最前線拠点という位置づけをどうも小野理事長と柴田先生は描いているのではないかと予想したりしています。
★今回の新型コロナウィルス感染拡大防止策の攻防は、地球規模で都市化が避けられない以上、新しい都市に変容していく必要があることを明快に映し出した流れになっています。19世紀末、世界の環境都市やユートピア都市のアイデアを提供したのは、東京の大名庭園です。明治維新当時訪れた外国人が、ひしめく大名庭園の江戸空間をみて、ユートピアと呼びました。
★ところが明治政府は、根こそぎ開発してしまい、大名庭園をモデルに建設されたイギリスのレッチワースの田園都市は、逆輸入されて田園調布が創られました。そして、五島慶太翁の遺言がたまプラーザです。その後東急電鉄は、その意志を継いでいます。この影響を与えたのが、最後の国土計画です。そおコンセプトはガーデンアイランド構想でした。ガーデニングがひところ大流行りだったのは、この国土計画にきかっけはあります。私立学校が東急電鉄沿線にあるのは偶然ではなかったのです。
★そして、今再びスマートシティなどと呼ばれ自然とAI社会と精神が循環する新しい都市創りがデザインされつつあります。それがソサイエティ5.0の動きやSDGs2030の動きです。
★品川翔英は、<自主・創造・貢献>と<SDGs>の活動をすべて生徒1人ひとりが<自分事>に反映できるように動いています。間違いなく新しい都市の知の庭園は新しい学校のデザインに委ねられるでしょう。品川翔英はその道を歩むことになるのではないでしょうか。大いに期待したいと思います。
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