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2020年3月15日 (日)

<未来を創るヒント>(2)富士見丘モデル スマートスクール パンデミックにも対応できる C1英語×C3シンキングの威力

★富士見丘と言えば、C1英語、PBL型授業、ICTの教育環境が充実しているのはあまりに有名。帰国生には特に浸透率が高いですね。何より、SGH認定校ですから、これらの環境を統合した破格のグローバル教育も魅力的です。そして、その結果、ここ数年、大学合格実績もあまり巧まずナチュラルに出てしまうという事態になっています。

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(2020年3月10日現在 富士見丘の卒業生93名の合格大学は次の通り)

 東京外国語大学   2名
筑波大学      1名
公立鳥取環境大学  1名
早稲田大学    14名
上智大学      8名
国際基督教大学   1名
青山学院大学    6名
中央大学     13名
法政大学     10名
明治大学      5名
学習院大学     4名
立教大学     10名
成蹊大学      5名
成城大学      3名
関西学院大学    3名
明治学院大学    2名
獨協大学      6名
津田塾大学     2名
東京女子大学    7名
日本女子大学    7名
学習院女子大学   3名
日本大学      3名
東洋大学      9名
駒澤大学      2名
専修大学      2名
武蔵大学      2名
白百合女子大学  15名
フェリス女学院大学 1名
東京都市大学    2名

★あの洗足と早稲田と上智の合格実績を比較すると、遜色ないのがわかるでしょう。洗足の卒業生数は多く、富士見丘は少人数ですから、比率にしないとわかりませんが。意外と、この単純なデータを受験生はみることはしないですね。合格人数で判断してしまいます。しかし、比率で間上げると、なかなかよい実績です。大学合格実績で教育の質が決まるとすると、洗足も富士見丘も変わらないということです。

★洗足もかつては偏差値は今のように高くはなかった。しかし、今やそんなことを知っている受験生は少ないでしょう。すると、富士見丘も同様に成長する可能性が大なのではないかと期待値が高鳴りますね。実際そうなるでしょう。

★というのも、実は、富士見丘の学習戦略は、英語教育でもグローバル教育でもないのです。C1英語戦略なのです。エッ!英語じゃんという話になりますかね。CFFR基準は、言語活動の基準で英語のみの基準ではありません。

★C1英語というのは、大学で学ぶことができる言語力ということです。それを英語でもできてしまうということです。リサーチ、ディスカッション、プレゼンテーション、エッセイ、教養、社会課題を自分事で創造的に解決する能力などが育ってしまうのがC1英語ということです。

★海外研修や高大連携、模擬国連など学校の枠を越境したダイナミックな教育を行っていますが、かりにこれがなくても、C1英語教育が、学内でできてしまう教師力=教師のソフトパワーが半端ないのです。これが富士見丘の本当の教育力です。

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★さて、この本物の教育力がどんどん豊かになっています。なぜか?理事長補佐・校長補佐の吉田成利先生は、明海大学の憲法の准教授です。学生はみなバイリンガルです。憲法の本も出版しているアカデミックそのものの体現者・見識者です。キングズ・カレッジ・ロンドン(ロンドン大学)大学院(ドクター)やシカゴ大学大学院(ドクタ)で研究し、Ph.D(法学博士)を取得しています。

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★そして、富士見丘の生徒は、明海大学のスペシャル講座なども受講します。もちろんオールイングリッシュだし、グローバルビジネスの分野をゼミナール形式で学んでしまうのです。経済学や法学など制度設計とサブカルチャーと市場の関係を論じ、グランドデザインを描いて見せてくれます。

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★SGHの探究型の学びがベースになっていますが、それ以上の学びを英語で行っているのが富士見丘の生徒です。そんなこと必要あるの?といわれるかもしれませんが、イギリスのAレベルやフランスのバカロレア、ドイツのアビツーアなどでは、最終的には論述形式だし、経済学や哲学、法学、文化人類学などで教養まで学んでいます。

★国際バカロレアのTOKはまさにそういう学びですよね。

★吉田成利先生にとって、そのレベルは特別なことではなく、世界標準です。同校の教師と対話や議論をしながら、その世界に、生徒もいっしょに巻き込んでいくリーダーシップを発揮しています。

★この学問知と生徒を結ぶ学びの環境がC1英語の教育なのです。今回のようにパンデミックがあると、オンライン上で世界の人びとと協働して解決方法を考えていかなくてはなりません。高次英語、高次思考、高次テクノロジーなどが学内でまず学べるスマートスクールであることがこれからは必要になってくるでしょう。

★富士見丘は、先述したように、破格のグローバルプログラムを構築しています。しかし、それはリアルスペースとサイバースペースとなんといっても生徒自身の内面の世界にソフトパワーが育っているのです。

★パンデミックで、リアルスペースで、今回のように活動できなくなっても、サイバースペースと内生的ソフトパワーがあれば、予測不能な事態にも対応できます。そして、3・11やここ数年続いている異常気象による電気の無化事態が起ここっても、内生的ソフトパワーがあれば、サバイブできるでしょう。

★スマートスクールとは、リスク社会にあって、内生的ソフトパワーが育つ学びの拠点です。いまのところ、ここまでやれる学校は富士見丘しかりありません。今のところ、世の中は、そのことにまだ気づいていませんが、今回の大学合格実績によって、注目を浴びる可能性大です。

★そして、時代はスマートスクール化に大きくシフトするでしょう。結局、C1英語とC3シンキングというわけです。

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