京都のノートルダム 動き出す(5)未知の知識が運命の探究の扉をたたく!
★梅下先生は、ウオームアップ“PI(Peer Instruction)”のあと、すぐにコンセプトテスト(マズール教授がPIで活用する多肢選択の問いに名付けた。知識から知のコンセプトに到達するという意味だと思います。コンセプト×テストの融合名称です)のフィールドにグーグルクラスルームで招待。保護者の方は、またも一斉にQRコード撮影会です。もうすっかり慣れたという感じでした。
★コンセプテストのマテリアルは、小5の生徒にとっては初めて見る魚です。私たちも初めてという人が多いかもしれません。未知の知識から始まるのが梅下流コンセプテストの肝です。
★選択肢の分布はバラケました。保護者は生徒と同じように「オオーっ!」ということになります。ここから再度推理のブラッシュアップ対話が始まるのですが、ミニワークショップなので、そこはショートカット。生徒の疑問にワープしました。
★同じ授業を小5でやったとき、この対話を通して深海魚だと分かった段階で、ある生徒が疑問を投げかけてきたというのです。深海魚といえば、海面からでてきたときに、浮袋や目が飛び出るのに、なぜこの深海魚は海底にいるままの姿なの?と。
★これですね。好奇心、対話による開放的精神、そしてなぜなに?という疑問が湧きおこる。この3要素は天才物理学者ファインマンの科学者の精神の3要素でもありますね。
★梅下先生は、このような疑問を教科書にはないから拾わないということはしない。むしろ積極的にキャッチすると。実は自分もこの深海魚については十分に調べがついていなかったから、教師と生徒がいっしょに学ぶという思考型の授業が深まっていくのだと。
★その場合、まずは、理科の基本的重要な思考スキルである<比較・対照スキル>を活用するのですと。この深海魚と鯛を比較して、その違いや共通点をチームで対話するという段乗りになるのだということで、ここは保護者の方にも近くの方々と対話してもらうことになりました。そしてグーグルクラスルームに書き込んでいきましたが、時間が限られているので、同じようなことをやったとき生徒はこんな感じでプラットフォームに書き込むから、共有できるのですと画像を紹介しました。
★いろいろな考えがあることに生徒は興味津々になるというのです。同年齢の友達なのにこんなにものの見方や考え方が違うと、生徒自身が感じます。大事な「徳」の領域が広がります。そのうえで、互いに尊重して、未知の知識を知へと深めていきます。このときの生徒は、まさに運命的ともいえる知の探究の扉をたたくことになるでしょう。
★なんて大げさなと思うかもしれません。しかし、子供にとって未知の知識との出会いは運命的なぐらい極めて重要な出来事なのです。いや大人もいっしょうですよね。
★私たちは、その運命的な知の出遭いとの機会を、教科書で知識を先に教えて、奪ってきたのかもしれません。運命的な感動的な知の学びの経験の回復。ノートルダム小学校のチャンレジはいよいよ大きく動き始めたのです。
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