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2020年2月 2日 (日)

2020海城の社会と理科 アカデミックな問い

★海城といえば社会の論述問題が有名です。今年もすてきな問題が出題されました。テーマは衣服ですから、実は部分的には今年の麻布の社会の入試問題と重なっています。海城と麻布はときどきテーマが重なります。おそらく社会科の先生方の研究会などでいろいろな話がされていて、情報交換がされているのでしょう。ですから、たまたま重なるということはあるのでしょう。このレベルの学校は、横の知のネットワークがあるということですね。過去問の学び方にも工夫ができそうです。

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★さて、海城の社会のファイナルクエスチョンですが、この問いだけではなく、資料がたくさんあって、それを分析するとこの問いは考えていくことができるので、麻布のような創造的思考力を要しません。学問的に情報やデータを積み上げて結論を検証していく姿勢が重視されています。もちろん、麻布もそうなのですが、少しけれんみのある問いをしかける癖が麻布にはありますね。

★それにしてもシェネルのオートクチュールの製作がファストファッションと違いパリ市内で行われる理由を問うとは、ファッション性より市場価値の生み出し方の違いを考えさせるところが、どこか構造主義的ですね。

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★海城の理科の入試問題も、上記の問題文だけではなく、読み解くグラフやデータがバーンとあるわけですが、そこから実験の正当性や信頼性をクリティカルシンキングさせています。入試問題全体そのものを見て頂くと、そのダイナミックさに驚かされます。

★同校のふだんの理科の授業が、フィールドワークや実験が多く、教科書の追試ではなく、生徒自身が実験や検証方法の仮説をたてているので、常にその正当性や信頼性をクリティカルシンキングすることは当たり前になっているのでしょう。入試問題は学校の顔ですから、しっかりとそこが問われたのでしょう。

★受験参考書や学校の教科書だけの枠内で学んでいても、このようなクリティカルシンキングを要する問いはなかなかできるようにならないですね。海城の理科のような問題を多くの学校が出題すれば、塾の理科の授業の在り方もかわり、科学者の目を意識した環境ができるでしょう。プログラミングも大事ですが、そもそもデジタルサイエンティスの目を持てるようなカリキュラムになっているかどうかは重要です。

★海城の理科の問題は、そこに大きな問題を投げかけているといえましょう。

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