2020武蔵の社会 考える問題~存在をみつめる問い
★武蔵の社会の問題は、麻布のように文化人類学視点というよりも、社会の問題に対して、社会政策を自分だったらどう考えるか、個人として自分はどう対応するかについてストレートに考える問いが多いのですが、麻布にしても武蔵にしても、今年は自由度の高い思考マップの広げ方ができたかもしれないですね。20世紀末までは、両校は、このような思考の自由な翼を広げるダイナミックな問題が多かったのですが、近年は論理的に詰めていけば解けてしまう難しいけれどこじんまりとした問題が多かったのですが、再び立ち還ったのかもしれません。
★昨年の幾度も来襲する台風による被害を思い出しながら、考えていく問い。近年ひとたび災害が起こると、その被害を食い止めるのがかなり難しくなっているのは、私たち自身が経験しているし、受験生もそうでしょう。国や自治体がどんな対策をとるべきか昨年は家庭で、学校で、塾で話題になっていたと思います。
★ハザードマップも実際に重要である経験を昨年多くの人がしました。やはり受験生も、ハザードマップをみながら自宅や友人や地域がどうなるのか首っぴきになりながら話し合い行動していたことでしょう。
★そういう意味では、主体的に考えることに迫る問題だったと思います。
★中学入試の問題が、武蔵や麻布のように、自分の生活や生き方から他者の生活や生き方、また地域や国がどのような政策を立てるべきかまで、基本知識を総動員しながら考える機会を与えるものばかりだったら、私立中高一貫校の教育の価値はますます高まるでしょう。選抜の道具としての入試問題から生き方を考えるそんな存在のための問題にシフトすることは案外何かが変わるのかもしれませんね。
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