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2020年2月 4日 (火)

2020フェリスの国語の入試問題 東大の帰国生入試と同じ視座

★今年のフェリスの国語の入試問題で、昨年同様、自分の考えを書く200字論述問題が出題されました。2018年はそのような問題は出ていませんでしたが、2017年は物語の続きを創作する200字記述の問題が出題されていました。この骨太論述はフェリスの場合、伝統的出題です。要約の時もあるし、自分の考えを論述する時もあるし、物語の続きを創作するときもあります。

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(写真はフェリス女学院のサイトから)

★この問題ができたかできないかで合否は決まらないので、これまで受験業界では、そう話題になることはあまりありませんでした。しかし、ここにきてフェリスのこの伝統的な骨太思考力にこだわる作問のつくり方は、重要な意味があることにようやく世の中は気づくことになるはずです。

★というのも、今年、まるで解禁されたかのように、武蔵や麻布は、自由記述・論述問題を出題してきたのです。おそらくこれは両校の伝統でもあったのですが、ここ数年、どうも論理的に詰めて終わりという、たしかに難問ですが、生徒の思考マップがフェリスのようにのびやかに広がらなかったのです。まるで、新タイプ入試や大学入試改革の自由記述に対して、何か言いたかったかのようですね。

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★首都圏模試センターの「思考コード」でいえば、B3どまりだったのです。ところが、今年はフェリス同様にC軸にまで、生徒は思考マップを広げる必要があったのです。これは大きな意味があります。C軸まで思考マップを広げると、ワクワクでも思考に没入するフロー状態が起こるので、いわゆる“Hard Fun”を子供たちは体験します。受験勉強の中で、この“Hard Fun”の体験を楽しめる生徒は、偏差値の高低に関係なく、自己変容能力を高めることができるでしょう。

★そして、このようなC軸思考問題が、新タイプ入試だけではなく、2科4科入試にも広まれば、中学受験生の才能開発に役立つでしょう。自己変容能力は18歳までつけないと、それ以降はなかなか育ちにくく、頑迷固陋な保守的人材を生み出してしまいます。逆に18歳までに自己変容能力を身に着けると、幾つになってもチャンレンジ精神旺盛で世界を変える貢献者になれます。

★フェリスのモットーは、“For Others”です。C軸思考問題は、この精神も養います。入試問題は学校の顔です。入学してから卒業するまでに200字どころではなく数万字の論文編集に取り組む探究活動はフェリスの伝統的かつ革新的な教育活動です。

★そうそう、今年の入試問題でした。

<あなたなが変えたいと思っている現代の常識を一つ挙げ、その常識を捨てたときどのような変化が起こると思うか、あなたの考えを200字以内で書きなさい。>

★まさに、<自己変容能力 for others>ですね。

★ちなみに、東京大学の平成30年度外国学校卒業学生特別選考小論文問題、要するに帰国生入試の小論文問題は、次のような問題でした。

<「常識がある」とはどういうことか。>

★フェリスの問題は、受験生が、あの中世の歴史の常識を覆した阿部勤也さんの文章を読んでから考えるように設定されています。大学のゼミ並みのレベルだったのです。そういう意味では、東大の帰国生入試で出題されている小論文と同じ視座で考えることになっています。恐るべしです。

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